研究課題/領域番号 |
12670311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
山下 優毅 産業医科大学, 医学部, 教授 (00028680)
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研究分担者 |
杉浦 勉 産業医科大学, 医学部, 講師 (40131924)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Th1 / Th2 / IFN-y / IL-12 / MDC / prostaglandin / BALB / c mouse / IFN-γ / IL-4 |
研究概要 |
免疫反応の誘導において重要な役割を果たすヘルパーT細胞は細胞性免疫反応を引き起こすTh1と液性抗体産生反応を引き起こすTh2の2つのサブセットに分類される。一般に、BALB/cマウスはC3H/HeNやC57BL/6などの他の系統のマウスと比較して、外来抗原や感染に対してTh2が活性化しやすく、その結果、血清IgE高値や好酸球増加を呈しやすい。しかしながら、BALB/cマウスにおける過度のTh2活性化の機構については不明な点が多い。プロスタグランジンE 2(PGE 2)は免疫抑制効果を有することが知られているが、近年特にTh1型の免疫反応に対して強い抑制効果を有することが明らかとなっている。我々はBALB/c、C3H/HeNおよびC57BL/6マウスの脾細胞、腹腔浸出細胞をStaphylococcus aureus Cowan I(SAC)で刺激した際のサイトカイン、ケモカインの産生におけるPGE 2の役割について解析し、以下の結果を得た。(1)脾細胞をin vitroにてインドメサシン(cyclooxygenase(COX)-1およびCOX-2阻害剤)、もしくはNS-398(COX-2特異的阻害剤)で前処理しSACにて刺激したところ、C3H/HeNおよびC57B/6に比してBALB/cマウス脾細胞において高いIFN-γの産生増強が認められた。(2)SAC刺激後のPGE 2の産生量についてもBALB/cマウスで亢進していた。(3)脾細胞に既知濃度のPGE 2を添加したところ、BALB/cマウスの脾細胞において高いIFN-γ産生抑制が認められ、この抑制効果は抗原提示細胞のIL-12p70の産生抑制に依存していた。(4)NS-398をin vivoに投与したところ、抗原特異的なIFN-γ産生の増強が認められ、この効果はIL-12投与と同等な効果であった。(5)macrophage-derived chemokine(MDC)の産生についても、BALB/cマウスで亢進しており、その産生はPGE 2の添加により更に上昇した。これらの結果よりPGE 2は抗原提示細胞によるIL-12p70の産生を抑制し、逆にMDCの産生を亢進していると考えられ、BALB/cマウスにおいて、Th2優位な免疫反応を引き起こすのにPGE 2が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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