研究課題/領域番号 |
12670325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
青木 一雄 大分医科大学, 医学部, 助手 (60201282)
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研究分担者 |
島岡 章 大分医科大学, 医学情報センター, 助教授 (40136792)
三角 順一 大分医科大学, 医学部, 教授 (40109658)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 胃がん / 一般地域住民 / 慢性萎縮性胃炎 / 血清ペプシノーゲン / 血清ガストリン / ヘリコバクタ・ピロリ感染 / ドミニカ共和国 / タンザニア連合共和国 / 胃癌 / ペプシノーゲン / ガストリン / ヘリコバクタ・ピロリ抗体 / タンザニア / 胃癌死亡率 / 一般住民検診 / ヘリコバクタ・ピロリ / 日本 / 中国 |
研究概要 |
胃癌バイオマーカーを利用した、より効率的でより効果的な胃癌スクリーニングを行うための基礎資料とする目的で、日本、ドミニカ共和国(ド国)、タンザニア連合共和国(タ国)、及び中国の一般地域住民に対して健康調査を実施し、対象者の属性(調査対象国、性、年齢)、生活習慣(食習慣、喫煙、飲酒)、生活環境、上部消化管疾患既往歴、並びに上部消化管に関係する自覚症状の有無などと胃癌バイオマーカー、すなわち、血清ペプシノーゲン(PG)諸値、血清ガストリン値、及びヘリコバクタ・ピロリ(HP)感染の有無との比較、検討を行った。 平成13年1月、2月にタ国で胃癌バイオマーカーの検査を含む健康調査を、タ国の倫理委員会の承認を得て、2地域(キバッハ行政区、ハイ行政区)の一般地域住民、男性245人、女性328人、計573人に対して実施した。また、平成13年11月から平成14年3月に、中米ド国において、タ国での調査と同じプロトコールで、日ド友好医学教育センターの承認を得た後、3地域(サントドミンゴ市、サンペドロ・デ・マコリス市、サンチアゴ市)の一般地域住民、男性451人、女性764人、計1,215人に対して健康調査を実施した。この2か国での健康調査に加え、研究代表者らが本研究の当該研究期間前に実施した健康調査データ、すなわち、日本(平成3年)、及び中国(平成8年、平成9年)において、それぞれ一般地域住民、男性323人、女性536人、計859人,及び男性648人、女性1,093人、計1,741人に対して実施した健康調査データを加え、日本、中国、タ国、及びド国の計4か国で、胃癌バイオマーカーの比較、検討を行った。 4か国の年齢別人口構成、及び調査対象者数が大きく異なっていたため、国別の有病率、及び感染率は、1995年の世界人口を基準人口にとり、年齢調整を行い算出した。その結果、PG I値とPG I/PG II比による慢性萎縮性胃炎(PG I≦70 & PG I/PG II≦3)の有病率(1995年世界人口年齢調整)は、日本、中国、タ国、及びド国で、それぞれ、0.492、0.117、0.319、及び0.202であり、4か国間で大きく異なっていた。また、HP感染率(1995年世界人口年齢調整)も、それらの4か国で、0.530、0.776、0.862、及び0.621と大きく異なっていた。一方、胃癌の前がん病変である慢性萎縮性胃炎に影響する因子を明らかにするため、慢性萎縮性胃炎を従属変数とし、調査国、性、年齢、調査時の上部消化管症状、上部消化管疾患の既往、喫煙指数、アルコール摂取量、血清ガストリン値、及びHP感染の有無を独立変数とするロジスティック回帰分析を実施し、調査国、年齢、ガストリン値、HP感染の有無の4変数が有意な変数として選択された。慢性萎縮性胃炎罹患のリスクは、日本に比し、中国、タ国、及びド国では、それぞれ0.14倍、0.62倍、及び0.38倍リスクが低下し、逆に、年齢が1歳、あるいは血清ガストリン値が1Pg/ml増加すると、慢性萎縮性胃炎に罹患するリスクが、それぞれ1.3%、あるいは0.6%増加していた。また、年齢や血清ガストリン値と同様に慢性萎縮性胃炎の罹患リスクを上昇させる因子として、HP感染があり、HP感染がある人は、HP感染がない人に比べ、慢性萎縮性胃炎のリスクを5.3倍増加させていることが明らかになった。
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