研究課題/領域番号 |
12670327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
柳沢 裕之 (柳澤 裕之) 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
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研究分担者 |
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 塩化第二水銀 / 急性腎不全 / エンドセリン / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素分化酵素 |
研究概要 |
塩化第二水銀(HgCl_2)誘発性急性腎不全(ARF)の進展の機構を明らかにするために、本研究を計画した。まず、できるだけ均一なARFモデルを作製するために、2.5mg/kg・50mg/kg・7.5mg/kg・10mg/kgのHgCl_2をラットの腹腔内に投与して検討した。最も均一なARFは、7.5mg/kgのHgCl_2を腹腔内投与することによって作製された。従って、本研究では、75mg/kgのHgCl_2を用いてHgCl_2-ARFモデルを作製した。糸球体レベルでは、ET-1は糸球体メサンジウム細胞・糸球体上皮細胞・傍糸球体装置の傍糸球体細胞でその発現が観察され、endothelial type(e)nitric synthase(NOS)は、糸球体係蹄の内皮細胞・傍糸球体装置の傍糸球体細胞、そして、brain type(b)NOSは、糸球体上皮細胞・傍糸球体装置の緻密斑でその発現が認められた。HgCl_2-ARFモデルでは、コントロールモデルよりも、ET-1の発現が有意に亢進していた。逆に、HgCl_2-ARFモデルでは、コントロールモデルよりも、eNOS及びbNOSの発現が有意に低下していた。現在までに、ET-1は血管収縮ペプチドとして知られ、eNOS及びbNOSに由来するNOは血管拡張物質であることが報告されている。また、ET-1の産生の亢進、NOの産生の低下により糸球体メサンジウム細胞・糸球体上皮細胞の収縮、輸入細動脈の血管抵抗(R_A)の上昇が起こり、糸球体の限界濾過係数(Kf)・糸球体毛細管血流量(Q_A)の低下に起因する糸球体濾過率の減少が観察される。従って、本研究の結果から、血管作動性物質であるET-1やNOは、糸球体メサンジウム細胞・糸球体上皮細胞の収縮によるKfの低下及びR_Aの上昇によるQ_Aの減少を介して、HgCl_2-ARFの進展に重要な役割を演じることが示唆される。また、angiotensin receptor type 1 antagonistであるTCV-116を投与するとET-1の発現が有意に抑制されることから、ET-1の発現の調節には、anglotensin IIが関与していることが指摘される。
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