研究課題/領域番号 |
12670329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
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研究分担者 |
鈴木 昌 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70265916)
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50112694)
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
中村 岩男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60265808)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 急死 / 入浴 / 熱中症 / 高体温 / 心拍変動 / サイトカイン |
研究概要 |
入浴中の急死は高齢者を中心に年間14000人に発生している。本研究(1)では、入浴事故に関わる救急隊到着時の救急現場の状況をアンケートにより調査した。心肺停止は46%、浴槽から出られずに救助を要した群(救助群)は16%、発見者が心肺蘇生術を行っていた群は1%、浴槽からの救助を要しなかった群は18%、外傷群は18%であった。救助群は、浴槽中に放置された場合に体温が湯温まで上昇して心肺停止に至る可能性があることから、心肺停止の予備軍と考えられた。救助群では殆どの例で意識障害が認められ、このために出浴行動が不能となったものと考えられた。意識障害の原因として、飲酒、低血圧、胸痛の関与は少なく、病態を説明するには困難であった。研究(2)では、若年男性9人に文書の同意を得て、40℃および40℃の湯温での入浴負荷試験を行ない、44℃入浴では体温(口腔温)40.1℃、40℃入浴では38.1℃までの体温上昇を認めた。心電図、血圧、体温、HRV、血液内分泌検査、高次脳機能検査(PASAT)を施行した。体温上昇に伴い、心拍数増加、心拍変動の減少、血圧変動(収縮期血圧の軽度上昇、軽度低下、拡張期血圧の減少、起立性低血圧など)を認めた。44℃入浴の直後に高次脳機能検査(PASAT)の正答率の低下を認め、40℃入浴では低下を認めなかった。血液内分泌検査ではノルエピネフリン、エピネフリン、hANPの増加と共にβエジドルフィンの増加を認めた。以上の結果より、高体温にともない高次脳機能の低下が誘発されることが示され、βエンドルフィンの増加から内因性オピオイドの関与が示唆された。以上より、入浴中の急死には入浴中の意識障害が関与すること、意識障害の原因として高体温による高次脳機能の低下が示唆された。
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