研究課題/領域番号 |
12670409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
西尾 元 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90253260)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 胸腺 / チロシンリン酸化 / サイトカイン / 児童虐待 / ストレス |
研究概要 |
ストレス負荷した動物モデルと実際の虐待児童の退縮胸腺におけるチロシンリン酸化反応の程度をコントロールのものと比較検討した。退縮胸腺では、コントロールと比較してチロシンリン酸化蛋白質の発現が低下すると共にハッサル小体の縮小が観察された。退縮胸腺ではチロシンリン酸化反応が負に調節されており、これが胸腺髄質の上皮細胞の分化に影響を与え、ハッサル小体の形態変化をもたらしていると考えられた。JAKやsrc-familyのチロシンリン酸化酵素が胸腺髄質のハッサル小体に局在していること、またこれらの酵素がサイトカインの細胞内の情報伝達経路に極めて重要な役割を果たしていることから、サイトカインがストレス負荷の有無を示すマーカーとなりうるか検索するために、ストレス負荷動物の血中サイトカインの定量を行った。ストレスを負荷したラット血液中ではコントロールのものと比較してIL2は約30%程度低下していることが明らかとなった。また、実際の虐待症例(解剖されたもの)についてもサイトカインの定量を行った。これらの症例数に限りがあることから、明らかな結論を出すことは困難であるが、ラットで観察されたようなサイトカインの減少は観察されなかった。コントロールとして用いた剖検例の血中サイトカイン量が低値であったことから、この結果はサイトカインの死後変化による分解のためと考えられた。サイトカインを虐待のマーカーとすることは剖検時の診断には適していないと判断されたが、生前の診断には有用である可能性が示唆された。
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