研究課題/領域番号 |
12670418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | CD26 / dipeptidyl peptidase IV / 免疫応答 / T細胞 |
研究概要 |
CD26分子はT細胞の表面分子であり、その細胞外ドメインにdipeptidyl peptidase IV(DPPIV)酵素活性を有する。メモリー抗原に反応するメモリーCD4T細胞はCD26分子を選択的に発現し炎症反応や生体防御反応の鍵になるサブセットであり、その機能発現にCD26分子のDPPIV活性が重要な役割を果たしている。 1.可溶性CD26によるT細胞メモリー応答賦活機序:リコンビナント可溶性CD26はin vitroでメモリー抗原に対するT細胞増殖を特異的に増加させるが、CD14陽性単球に可溶性CD26が取り込まれ、単球上のCD86の発現を上昇させることにより免疫応答賦活を引き起こしていることを明らかにした。さらに可溶性CD26はマンノース6リン酸/insulin-like growth factorII受容体を介して単球に取り込まれた。 2.T細胞からの可溶性CD26産生調節機序:PHA刺激、抗CD3抗体+抗CD28抗体によるT細胞刺激により可溶性CD26が産生され、IL-2添加により増加がみられた。全身性エリテマトーデス(SLE)患者血清中の可溶性CD26は低値を示し、疾患活動性およびCD26陽性細胞数と有意な相関を示した 3.CD26分子のDPPIV活性調節因子の探索:血清中の抗CD26抗体をウエスタンブロット法で検討したが、CD26分子を認識する抗体は見られなかった。さらに検討が必要と考えられた。一方、抗CD26モノクローナル抗体はG1 arrestを誘導し、ERK pathwayを介してp21^<Cip1>の発現を増強させることにより、T細胞の増殖を抑制することを示した。またこの変化はCD26のDPPIVに依存していた。抗CD26抗体のGVHDやSLEなどの免疫異常疾患における治療のひとつとなりうる可能性が示された。 今後は、CD26分子および他のメモリーT細胞に発現する分子を介する抗原特異的免疫応答制御を検討する。
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