研究課題/領域番号 |
12670428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 衡 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (70188960)
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研究分担者 |
大塚 毅 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (50213773)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Th1 / Th2バランス / 結核症 / IL-12 / インターフェロン-γ(IFN-γ) / IL-4 / 遺伝的多型 / 疾患感受性 / 結核 / インターロイキン12レセプター(IL-12R) / 一塩基多型(SNP) |
研究概要 |
免疫応答反応の中心を担うヘルパーT細胞(Th)には、そのサイトカイン産生パターンによりTh1、Th2という2種類のサブセットが存在する。それぞれは、細胞性免疫、液性免疫の誘導および調節機能に関与する。種々の感染症をはじめ様々な疾患の病因・病態が、Th1/Th2のバランスの異常という観点からも理解されるようになった。細胞内寄生体である結核菌は、細胞性免疫であるTh1型の反応が感染防御に非常な重要な役割を担っており、逆にアトピーのようなアレルギー性疾患では、その病態の形成にTh2型優位の反応が主要な役割を演じていると考えられている。 結核の発症には、宿主側において環境衛生・栄養状態といった要因に加え、免疫反応に影響をもたらす遺伝的要因の関与が示されてきた。すなわち、Th1型サイトカインであるインターロイキンー12(IL-12)およびインターフェロン-γ(IFN-γ)関連シグナルに関する分子の遺伝子の異常に基づいたTM1活性の低下が結核や抗酸菌症への疾患感受性を高め、易感染性を呈するという事実である。 我々は、IFN-γ受容体およびIL-12受容体において、アミノ酸変異をもたらす遺伝子多型を解析した。特にIL-12β1受容体にMet365ThrとGln378Argの多型を見出し、これらの多型は連鎖していること、結核患者群にこれらの多型が有意に多いことを明らかにした。また、この多型を有する受容体は、IL-12刺激による分化や増殖に関し、有意にその機能が低下している事が明らかとなり、これらの遺伝的多型が免疫反応低下に関わることを示した。(AkahoshiM et al. Hum Genet)感染症のみならず代表的な腎疾患であるIgA腎症においても、IFN-γやIL-4の遺伝子多型に基づくTh1/Th2のバランスの異常で、病型が異なることを示した。っまりIFN-γの低産生量に関わる遺伝子型とIgA腎症との発症との間には相関が見られるが、その重症化にはIFN-γの遺伝子型は相関せず、IL-4高産生量に関わると考えられるIL-4遺伝子型に相関していることが明らかとなり、IgA腎症の病態にTh2免疫反応が中心的役割を果たしているという従来の考え方を指示する結果が得られた。(Masutani K et al. Am J Kidney Dis) 個人の遺伝的背景によりTh1/Th2のバランスが規定されており、その結果病像、病態、病型が異なるという事実を支持する解析結果であった。
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