配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
I.破骨細胞活性におけるカルパインの役割とリウマチ疾患患者抗カルパスタチン抗体の関与 新生児ウサギ大腿骨の破骨細胞を象牙切片上で培養し,破骨細胞の骨吸収活性に与えるカルパインの影響を検討した.ヒトカルパスタチンまたはカルパイン阻害ペプチドを添加すると,象牙切片上の吸収窩面積は容量依存的に最大50%まで減少した.骨吸収活性はマウスモノクローナル抗カルパスタチン抗体添加で37-45%増加し,一部の抗カルパスタチン自己抗体陽性血清IgG添加でも最大で32%増加した.カルパイン/カルパスタチン系は破骨細胞活性に影響を与え,RAの関節破壊に関与する可能性が示唆された. II.抗コラーゲン抗体カクテル誘発関節炎マウスにおけるカルパイン阻害物質の効果の検討 カルパインは軟骨破壊や炎症惹起に関与する中性プロテアーゼの一種と考えられるため,カルパイン活性の抑制がRAの新たな治療戦略となる可能性を想定し,RAモデル動物である抗コラーゲン抗体誘発関節炎マウスのカルパイン阻害薬による治療を試みた.種々のカルパイン阻害物質(カルパスタチン,ロイペプチン,カルペプチン,E-64-d)を関節炎誘発マウスに投与したところ,すべてのカルパイン阻害薬に関節炎発症の抑制効果が認められ,特に高用量のE-64-dはデキサメサゾンに匹敵する関節炎抑制効果を示した. III.抗カルパスタチン抗体の定量的測定法の開発とリウマチ性疾患における同抗体の検索 これまでにカルパインの特異的阻害蛋白であるカルパスタチンに対する自己抗体がリウマチ疾患に検出されることを報告してきた.カルパスタチンをコードする全長cDNAより発現・精製したカルパスタチンをマイクロタイタープレートに固相化し,ELISA法を開発した.ELISAによる抗カルパスタチン抗体の陽性率は,RA43%に対して,SLE30%,強皮症30%,PM/DM25%,健常人1%であり,RAで最も高かった.
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