研究課題/領域番号 |
12670441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
久保 允人 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (40277281)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ゲノム / T細胞機能分化 / Th1 / Th2 / IL-4 |
研究概要 |
ヘルパーT細胞の機能分化はT細胞抗原受容体(TCR)複合体とサイトカインレセプターシグナル伝達系が、単独あるいは両者が協調する事により細胞周期の制御・転写因子の発現誘導・クロマチン構造の変化を巧みに操る事により分化を制御していると考えられている。TCRシグナルとIL-4シグナルがどのようにGATA-3などの転写因子の発現や核への移行を誘導し分化を制御しているの化を検討するため、我々はヒトIL-4レセプターを持つトランスジェニック(Tg)マウスを利用することにより、人為的にTh1・Th2分化を制御しうるシステムを構築した。そしてTh2分化を誘導する上で、細胞周期・細胞分裂のどの段階でIL-4シグナルが必要なのかを検討するため、抗原(TCR)刺激を加えたこのTgマウスのT細胞に、hIL-4を経時的に添加した。その結果、この2つのシグナルが、ナイーブT細胞からTh2細胞への機能分化を誘導する為には、抗原刺激を受けた後にIL-4シグナルが入ると言う絶対的な順番があり、分化の方向性を決めるためにはlL-4刺激のタイミングが非常に重要であった。抗原刺激後36時間以内にIL-4シグナルが導入された場合にはTh2分化が効率よく行われたが、48時間以降ではその効率は著しく減弱していた。そこで、IL-4添加時における細胞分裂の状態を検討したところ、抗原刺激後36時間の時点では第一回目の細胞分裂はおこっておらず、その12時間後からT細胞は急速に分裂増殖していった。ナイーブT細胞がヘルパーT細胞へ分化しIL-4を産生し始めるまでには、細胞が何回か分裂することが必要である事が報告されている34)。ところが、IL-4シグナルによるTh2細胞への分化の効率は、細胞分裂が進むにしたがって顕著に減弱していた。このことはIL-4シグナルによるTh2分化への方向付けは、抗原刺激により細胞周期が回り始め、最初の細胞分裂が起こる以前に決定されている可能性を示唆していた。
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