研究課題/領域番号 |
12670444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
西村 裕之 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (60189313)
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研究分担者 |
小寺 洋 桐蔭横浜大学, 工学部, 助教授 (80205426)
尾崎 承一 京都大学, 医学部, 講師 (00231233)
石川 昌 順天堂大学, 医学部, 講師 (00276479)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 全身性自己免疫疾患 / SLE / 全身性エリテマトーデス / (NZB x NZW)F1 / NZB系マウス / NZW系マウス / CD4+ T細胞 / CD69 / CD4陽性T細胞 / 自発的活性化 / CD4陽性T細胞サブセット / マイクロサテライトDNA / Quantitative Trait Loci(QTL) / 主要組織適合遺伝子複合体 / リンパ球の活性化 / 連鎖解析 / Quantitative Trait Loci / 自己免疫疾患 / Systemic Lupus Erythematosus / New Zealand系マウス / (NZBxNZW) F1 / (NZB x NZW)F1マウス / Th細胞 / モデルマウス / 多因子病 |
研究概要 |
末梢CD4陽性T細胞のサブセット構成異常と自発的活性化は全身性自己免疫疾患の疾患感受性に関わるcomponent phenotypeのひとつと考えられるがこれを規定する遺伝的素因は不明である。SLEモデル(NZB x NZW)F1マウス、及びその親系NZBマウスでは加齢に伴い脾臓CD4陽性T細胞の自発的活性化とサブセット構成の偏りが見られる。我々は(NZB x NZW)F1マウスをNZWマウスに退交配し、得られた約400匹の雌マウスについて、脾臓細胞の表現型と常染色体19対上のマイクロサテライトDNA多型を調べ、CD4陽性T細胞の自発的活性化とサブセット構成異常を規定する遺伝子座をゲノム上に検索した。交配マウスの約半数において(NZB x NZW)F1マウスに特徴的な、CD69陽性CD4陽性T細胞の増加、CD62L陽性およびNTA260抗原陽性CD4陽性T細胞の減少が見られた。このような表現型の異常は共通してNZB由来第17染色体上のMHC class II領域、第12染色体セントロメア近傍の遺伝子を含む多遺伝子支配を受けることが示された。(NZB x NZW)F1マウスにおいてCD4陽性細胞の自発的活性化はB細胞の増加、CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞の減少に伴って見られる。退交配マウスにおいてこれらの細胞集団の頻度の異常はともにMHCに強く拘束されるが、それぞれMHC以外の固有の遺伝支配を受けていることが示唆された。 (NZB x NZW)F1マウスではそれぞれ独特のポリジーン支配下にあるCD4陽性T細胞とB1細胞の機能異常がMHCのヘテロ接合性を共通の遺伝的基盤として相互作用し、SLE発症がもたらされていることが明らかとなった。特にTh細胞の機能異常の基礎となるサブセット構成異常と自発的活性化がMHC class II遺伝子の特定のアレルのヘテロ接合性に強く依存していることは極めて重要な知見であり、DNAワクチンやsiRNAによって特定のMHC class IIアレルを標的として免疫寛容誘導することにより、SLEを治療できる可能性が示唆された。第12染色体上の未知遺伝子の同定は今後の重要な課題であり、現在さらに研究を継続している。
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