研究課題/領域番号 |
12670459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 晴彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60240305)
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研究分担者 |
小椋 啓司 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
白鳥 康史 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / CagA / cagPAI / スナネズミ / 細胞内信号伝達系 / 病原性 / ヘリコバクタ・ピロリ / Cag PAI / 胃癌 |
研究概要 |
当初、本研究では未知の病原性規定因子の同定を目的としたが、同時に既知病原性規定因子の病原的意義の確認も行った。まず、組換えCagAタンパクを用いて抗CagA抗体検出系を確立、これを用いて抗CagA抗体陽性者では陰性者と比べて胃癌オッズ比が10倍であることを示した。次に、スナネズミを用いた動物実験モデルを用いて、cagPAIノックアウト菌株の感染実験を行い、変異株では感染率・定着率が野生株と同様であるものの、胃炎、潰瘍、腫瘍についての病原性ははるかに弱いことを示した。これらから、cagPAIが菌側の主要病原性規定因子であると考え、この病原性を分子生物学的レベルで解明することとした。 H.pyloriとの共培養で惹起される培養細胞内信号伝達系について検討した。これにより、IKK、TRAF2、TRAF6を介したNF-κBの活性化、ERKカスケードを介したSREおよびAP-1の活性化、MAPKカスケードを介したcyclin D1の活性化を明らかにした。これらの信号伝達系賦活には、cagPAI陽性生菌との直接接触が必要であった。一方、単球系細胞におけるNF-κBの活性化では、cagPAI、菌体との接触はともに必要でなく、液性因子の関与が示唆された。 以上から、H.pylori感染症の病態多様性を理解するためには、宿主側の反応も含めて広く検討する必要があると考えられた。このため、cDNAマイクロアレイを用いた宿主側遺伝子発現の解析を行った。 また、病原性規定因子を短期間で検定するために、スナネズミを用いた短期感染実験系を確立した。
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