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TNF-αノックアウトCTLを用いた肝炎ウイルス排除機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670474
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 消化器内科学
研究機関岐阜大学

研究代表者

安藤 量基  岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20265276)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードTNF-α / CTL / HBV / ウイルス排除 / 増殖
研究概要

近年の研究からTNF-αは、細胞障害やウイルス排除機構に深く関わっているだけでなく、細胞の分化・増殖にも影響していることがわかってきた。このため、肝細胞の破壊やウイルス排除において中心的役割を担っているCTLの増殖に対するTNF-αの影響を検討する必要がある。
我々の検討では、TNF wild type(WT)マウスでHBV特異的CTLを誘導できる免疫法では、TNF-αknockout(KO)マウスからは極めて低いCTL活性を示すlineしか誘導できなかった。また、免疫したTNF-αKOの脾細胞に含まれる、HBV特異的CD8陽性細胞のflequencyは低かった。In vitroの培養系においても、TNF-α WT CTL lineは増殖も良好で、細胞障害活性も極めて高く維持されるのに比して、TNF-α KO CTL lineは増殖能が低く、細胞障害活性も低値のまま推移した。これらのデータから、in vivoおよびin vitroにおけるウイルス特異的CTLの誘導には、TNF-αの存在は極めて重要であると考えられる。しかしながら、TNF-α KO CTL lineを限界希釈法でクローニングしたところ、高い細胞障害活性を有するTNF-α KO CTL cloneが存在することが判明した。すなわちTNF-α KOマウスにおいても、HBV特異的CTLは分化することはできることを意味している。この事実から、TNP-αはCTLの分化ではなく、増殖に深く関与していることが考えられた。筆者らが樹立した、極めて高い増殖能と細胞障害活性を有するHBV特異的CTLである、clone 6C2(TNF WTを用いた実験では、feeder cellをTNF-α KO脾細胞を用いてTNF-αの培養系への供給を抑制したところ(CTL自身が産生するTNF-αは存在する)、明らかに6C2の増殖は低下した。可溶型TNF-α(sTNF-α)は消失させるが、膜型TNF-α(mTNF-α)を増加させる、MMPs inhibitorを添加すると、clone 6C2の増殖は強く抑制された。また、MMPs inhibitorの存在下で、rmTNF-αを添加すると、その増殖は有意に回復したことから、CTLの増殖にはsTNF-αが関与していることが明らかとなった。
以上の実験結果から、HBV特異的CTLはTNF-αはなくとも分化することはできるものの、増殖するためには不可欠な存在であると言え、またこの増殖にはsTNF-αが特に重要な役割を果たしていることがわかった。

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 安藤量基: "消化器疾患の分子医学 第II部 消化器疾患の臨床と分子医学の接点 第1章 総論(10)肝炎ウイルスの肝障害機序"臨床消化器内科. 16. 143-149 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安藤量基: "TNF-a Knockout CTLを用いた細胞障害とウイルス排除機構の解析"編集、林 紀夫 他 メデイカルトリビューン(株). 4 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kasahara S, Ando K, Saito K, Sekikawa K, Seishima M, Moriwaki H.: "Essential role of tumor necrosis factor-alpha in the induction of hepatitis B virus (HBV) specific sytotoxic T lymphocyte"Hepatology. 34 (Suppl.). 309A (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安藤量基: "消化器疾患の分子医学 第II部 消化器疾患の臨床と分子医学の接点 第1章 総論 (10)肝炎ウイルスの肝障害機序"臨床消化器内科. 16. 143-149 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 安藤量基: "TNF-a knockout CTLを用いた細胞障害とウイルス排除機構の解析"編集、林 紀夫 他 メデイカルトリビューン(株). 4 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 安藤量基: "Liver Forum in Kyoto第2回学術集会記録集TNF-a knockout CTLを用いた細胞障害とウイルス排除機構の解析,編集、林紀夫 他"メデイカルトリビューン(株). 4 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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