研究概要 |
1.PPARγリガンドによるアポトーシス誘導。 3種類の培養胆管細胞癌に15d-PGJ2を加え、24h培養を行いMTT法を用い細胞数を評価した。3種類の細胞はFAS刺激ではいずれも有意な細胞数減少を認めなかった。しかし、RBE, ETK-1の二つの細胞は15d-PGJ2を加えた後、濃度依存性に細胞数の減少を認めた。100μMの濃度で約40%にcell viabilityが低下した。一方、HuCCT-1は100μMでも細胞数の有意な減少を認めなかった。15d-PGJ2によるRBE, ETK-1の細胞数減少がアポトーシスであることを確認するためにDAPIによる核染色を行った。RBE細胞は15d-PGJ2未処理では核の形態に変化を認めなかったが、15d-PGJ2にて核の凝集、せん断化を認め、アポトーシスが生じていることを確認した。 2.アポトーシス関連蛋白の発現。 アポトーシス抑制蛋白としてFlice/Caspase8-inhibitoly protein(FLIP), Bclx, XIAPがウエスタンブロッティングにおいて、いずれの細胞にも発現が確認された。特に、HuCCT-1においてFLIP, XIAPの発現が強かった。一方、アポトーシス誘導関連因子であるApaf-1はETK-1にはほとんど発現が認められなかったが、ほかの2つの細胞では発現が認められた。 各種胆管細胞癌に15d-PGJ2を加えたときのアポトーシス関連蛋白の発現の変化について検討した。RBEはCaspase3,Caspase8の著明な低下を認めた。しかしETK-1,HuCCT-1は、Caspase3,Caspase8は軽度低下したのみであった。XIAPはすべての細胞で15d-PGJ2の濃度依存性に発現の低下が認められた。
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