研究課題/領域番号 |
12670489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田妻 進 広島大学, 医学部, 助教授 (80201614)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 肝類洞側膜 / 肝毛細胆管膜 / ABC transporter / リン脂質 / 胆汁酸 / 膜流動性 / 胆汁うっ滞 / アシル鎖脂肪酸 / 肝毛細胆管側膜 |
研究概要 |
肝内における脂質分子の類洞側および胆管側への指向性を制御する因子と、肝内性および肝外性病変における臨床的意義を明らかした。 1.肝細胞膜脂質二重層の脂質配列と胆汁脂質には相補性があり、肝細胞機能恒常性の維持機構・組織保護機構として機能している。また、肝細胞膜脂質分子種の変化は膜流動性に関与しており、構成リン脂質の疎水性強度が上昇すると膜構築は安定化するが、流動性は低下する。逆に、親水性リン脂質分子種が増加すると膜流動性は高まるが、膜構築は脆弱化する。 2.外因性に投与された胆汁酸の疎水性強度は、膜局在ABC transporterの発現に影響を与えることが判明した。特に、胆汁酸自身の輸送担体であるBsepは、胆汁酸の疎水性強度の増加に伴い、その発現も増加し、生体の恒常機能を反映した。一方、有機陰イオンの排泄に関与するMRP2は、細胞保護的な親水性胆汁酸によりその発現は増加し、細胞保護機構の機序の一端を示す結果であった。 3.内因性胆汁うっ滞では膜局在ABC transporterの発現は低下し、膜流動性も低下して胆汁排泄能は速やかに低下する。一方、局所的外因性胆汁うっ滞では健側肝の代償機構が成立すること、全肝における外因性胆汁うっ滞では胆管側と類洞側の輸送担体の間に相補性が成立することが明らかとなった。即ち、これらの代償機構が肝に潜在する機能的予備力の一端を担うことが示唆された。
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