研究課題/領域番号 |
12670495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
恩地 森一 愛媛大学, 医学部, 教授 (10112260)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 免疫療法 / CTL |
研究概要 |
近年、肝細胞癌(HCC)の治療は様々な局所療法により生存率は著しく向上したものの決して予後良好ではなく、画像装置で検出されないような微小な癌組織を全身から除去する治療法の開発が必要である。我々は既に樹状細胞(DC)がHCC患者の末梢血において機能異常のあることを報告してきた。しかし、組織中のDCは末梢血中と異なる特徴をもつ可能性があるため、HCC患者の組織中のDCの活性化の程度について検討を行ったところ、HCC患者の癌部組織中において成熟DC(CD83陽性細胞)はみられなかった。HCCが免疫応答よりエスケープしている機序の一つと考えられた。これらの成績を踏まえて、HCCを用いたDC療法を開発するために、マウスを用いた基礎的検討としてDCの活性化および抗腫瘍効果について実験を行った。 C57Bl/6マウスで大腸癌モデルを作成した後にエタノール+骨髄由来未成熟DCを直接注入し、DCの活性化、抗腫瘍効果について検討した。治療後3日目の免疫組織学的検討では、エタノール+骨髄由来未成熟DC注入群において壊死に陥った癌部周囲にDC(CD11c陽性細胞)および成熟DC(CD86 陽性樹状細胞)が浸潤していた。一方、壊死に陥っていなかった癌部には成熟DCは存在しなかった。また、治療開始後3週間目の腫瘍径の検討では、エタノール+DC注入群がDC単独注入群と比較し有意に腫瘍増殖抑制効果を示し(p=0.012)、エタノール単独注入群と比較しても腫瘍増殖を抑制する傾向を示した(p=0.082)。以上の結果より、局所において未成熟DCがエタノールおよび樹状細胞の局注により成熟DCとなり、抗腫瘍効果を発揮しているものと考えられた。
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