研究課題/領域番号 |
12670504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
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研究分担者 |
小林 大介 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50295359)
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40260757)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 膵臓癌 / テロメラーゼ活性 / テロメラーゼ構成分子 / テロメア結合蛋白 / テロメア長 / hTERT / TRF1 / TRF2 / 膵癌 |
研究概要 |
膵癌、胃癌、乳癌および造血器悪性腫瘍患者の検体を対象とし、テロメア伸長反応の制御機構を解析した。癌組織や造血器悪性腫瘍細胞のテロメラーゼ活性値(TPG)は、対照とした非腫瘍のそれに比べ高値を示した。テロメラーゼ構成分子のうち、鋳型RNAであるhTRと付属蛋白hTEP1のmRNAは非腫瘍でも発現していた。膵癌細胞を放射線照射した際にも、hTRとhTEP1mRNAの発現量が漸増傾向を示したのに対し、触媒蛋白であるhTERTのmRNAのみがTPGと同様の挙動を示した。これらの結果から、hTERTがTPGの規定因子と考えられた。しかしTPGとテロメア長との間には、有意な相関関係はみられなかった。 そこで、テロメラーゼのテロメア領域へ結合を阻害するテロメア結合蛋白TRF1やTRF2のmRNA発現量を解析したところ、腫瘍では非腫瘍に比べ抑制されていた。その程度は、特にTRF1で顕著だった。さらに、TRF1やTRF2の働きをそれぞれ増強するTIN2とRap1、TRF1の機能を抑制するTankylaseのmRNA発現量についても、検討した。その結果、腫瘍では非腫瘍に比べ、TIN2の発現が明らかに抑制されていた。 以上の結果より、細胞がテロメア伸長反応を介して不死/癌化するためには、テロメラーゼ分子(hTERT)の発現とともに、テロメア結合蛋白による負の制御からの解除という、少なくとも2つのステップが必要なことが明らかになった。すなわち、現状では、hTERTのantisenseおよびTRF1、TIN2などテロメア結合/関連蛋白のsense遺伝子を用いることが、膵癌治療法を開発する上で適切と考えられる。現在、この方向性で研究を進めている。
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