研究分担者 |
小島 敬史 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
萱澤 正伸 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10340548)
中川 憲 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00278532)
星本 真弘 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
田中 正剛 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
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研究概要 |
1.腸上皮細胞(Caco-2細胞)のIL-8産生への脂肪酸の影響 長鎖脂肪酸のoleic acidや中鎖脂肪酸のcapric acidはIL-8産生を刺激した。Protein kinase阻害剤のH-7,protein kinase C(PKC)阻害剤のGF109203,phospholipaseA2阻害剤のAACOCF3などを用いた実験から、oleic acidによるIL-8産生の刺激にはPKCやPhopholipase A2が関与していたが、capric acidによるIL-8産生の刺激には関与していなかった。 2.腸管洗浄液中の蛋白の分析 腸管洗浄液の蛋白の分析は、炎症性腸疾患の活動性把握に有用であった。4種の好中球顆粒蛋白(lactoferrin, PMN-elastase, MPO, lysozyme)の中ではlactoferrinが炎症性腸疾患の活動性把握に最も有用であった。腸管洗浄液を遠心上清と沈渣に分けて、上清中濃度/沈渣中濃度の比率を求めた。その結果、活動性の炎症性腸疾患では管腔内への好中球のmigrationは著明に増加するが、管腔内にmigrationした好中球の一部は顆粒を放出していないことが考えられた。 3.oxidantの腸上皮細胞(T84細胞)のCl^-分泌に及ぼす影響 monochloramine(NH_2Cl)単独ではshort ccircuit current(Isc)に変化はなかった。NH_2Clで30分間刺激後に、carbachol, thapsigargin, PGE_2,cAMPを添加した場合のIscは、NH_2Cl濃度依存性に亢進し、なおかつピークに達したIscの持続時間も延長した。このことからNH_2Clは刺激時Cl^-分泌(Ca^<++>およびcAMP依存性の両者)を増強することが示唆された。そして、その機序はNH_2Clがbasolateral sideに存在するCa-activated K^+channelへ直接的に作用し、そのCa活性化の閾離を低下させることがわかった。
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