研究課題/領域番号 |
12670569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
井上 洋西 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40133962)
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研究分担者 |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 接着分子 / P-セレクチン / E-セレクチン / 炎症 / リンパ球 / sialyl Lewis^x / マウス / 喘息 / 好酸球 / セレクチン / sialy Lewisx / 気管支喘息 / 気道炎症 / E-eレクチン / シアリルルイスX / 好酸球浸潤 / 動物モデル |
研究概要 |
炎症の部位では、血管内皮細胞表面にはICAM-1,VCAM-1,E-およびP-selectinの発現が見られ、一方炎症細胞表面にはこれらの分子に対応して、Mac-1,VLA-4,sialyl Lewis^xが発現して、それぞれの分子が結合し合うことより、血管内から組織中への移行に関与している。我々は本研究において,E-およびP-selectinとsialyl Lewis^xとの結合をsialyl Lewis^xアナログで阻害し、炎症反応を抑制できるか否かを検討するため、真菌抗原感作マウスモデルに対してsialyl Lewis^xアナログの影響をBALF中細胞分画及び組織学的に解析した。真菌抗原Micropolyspora faeniを感作したマウスに抗原を暴露した後の肺組織では肺胞組織に著明なリンパ球を中心とした単核球浸潤がみられた。一方、経鼻的もしくは腹腔内にsialyl Lewis^xアナログを投与した群における肺組織では陽性コントロールに対して有意に炎症細胞浸潤を抑制された。肺組織の炎症と肉芽腫形成のスコア化による解析を行うと陽性コントロールの肺組織に対して経鼻的もしくは腹腔内にsialyl Lewis^xアナログを投与した群における肺組織では有意にスコアの低下が見られ、肺傷害スコアにおいてもsialyl Lewis^xアナログ投与群で有意の低下が見られた。BALF中細胞数に関して陽性コントロールとしての抗原暴露群では非抗原暴露群に比べて著明な細胞数の増加が見られた。一方、経鼻的もしくは腹腔内にsialyl Lewis^xアナログを投与した抗原暴露群においては陽性コントロールに比べ、有意の細胞数の低下がみられた。更に、抗原暴露マウス肺組織中の血管内皮細胞におけるP-及びE-セレクチンの発現が免疫染色にて明らかにされた。以上の結果は、炎症細胞浸潤の血管内から肺組織への移行において、E-およびP-selectinとsialyl Lewis^xとの結合は重要であり、sialyl Lewis^xアナログはこれら分子間の結合を阻害し、炎症反応を抑制しうることを示した。
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