研究課題/領域番号 |
12670580
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
青柴 和徹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60231776)
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研究分担者 |
安井 修司 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30147392)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 肺気腫 / 慢性閉塞性肺疾患 / アポトーシス / カスパーゼ / 細胞死 / エラスターゼ / 肺胞上皮細胞 |
研究概要 |
高齢者人口の増加に伴い肺気腫の罹患率や死亡率が増加しつつあるが、その発症機序は未だ解明されていない。本研究では「肺気腫の発症機序にアポトーシスカ欄与しているのではないか」という仮説を検証するために実験的に肺気腫動物モデルを作成した。すなわちC57BI/6マウスの気管内に1)PBS、2)activecaspase-3(CAS)、3)chariot(CHA:細胞内蛋白質導入剤)、4)CAS+CHA、5)CAS+CHA+DEVD(CAS阻害剤)、または6)nodularin(セリン・スレオニンリン酸化酵素阻翻Dを注入した。その結果、CAS+CHAを注入した2時間、後には肺胞壁にアポトーシスが生じ、肺胞壁の破壊と気腫化がもたらされた。二重免疫染色の結果からアポトーシスを生じた細胞はほとんどが肺胞および気道の上皮細胞と考えられた。このような気腫化はCAS阻害剤であるDEVDの同時注入により抑制された。経時的に観察すると肺の気腫化はCAS+CHAの注入15日後まで継続してみられたが、線維化や肺内への炎症細胞の浸潤はほとんど観察されなかった。一方、CAS+CHAを注入されたマウスではBAL液中に酸性領域で活性化されるエラスターゼ活性が上昇していた。さらにラットの肺から分離培養したII型肺胞上皮細胞にアポトーシスを誘導すると酸性領域においてエラスチン分解活性がみられた。したがってアポトーシスによる肺の気腫化にはなんらかのエラスターゼの活牲化び関与していると考えられた。以上の結果から肺胞壁のアポトーシスは肺気腫をもたらす直接的な原因になることが示された。
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