研究課題/領域番号 |
12670586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松永 宗雄 弘前大学, 医学部, 教授 (80003599)
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研究分担者 |
冨山 誠彦 弘前大学, 医学部, 助手 (40311542)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | パーキンソン病 / ジスキネジア / 6-OHDAモデルラット / 8-OH-DPAT / 淡蒼球内節 / GABA作動性神経ニューロン / 淡蒼球内節破壊術 / 視床下核刺激術 / セロトニンニューロン / ドパミン代謝 / NMDA型グルタミン酸受容体 / In vivo microdialysis / In situ hybridization / レボドパ / in vivo microdialysis / in situ hybridization |
研究概要 |
6-hydroxydopamine(6-OHDA)をstereotaxicに注入し、片側の黒質線条体ドパミン神経細胞を破壊したパーキンソン病モデルラット(6-OHDAラット)を用い、脳内ドパミン、セロトニン代謝に関する一連の実験を続けてきた。今年度はレポドパ誘発ジスキネジア(LID)に対して淡蒼球内節破壊術が有効なことに着目し、LIDの発現に淡蒼球内節が果たす役割の解明を試みた。 6-OHDAラットに間欠的にレボドパを投与しLIDを誘発せしめて、LID発生時の淡蒼球内節の凍結切片を作成して形態学的変化の有無を検索した。前年度に、6-OHDAラットにレボドパ投与によるLIDを惹起せしめた時、セロトニン(5-HT_<1A>)アゴニストである8-OH-DPATを併用することによりジストニアの発現を抑制することを確認した。すなわち、6-OHDAラットはレボドパ投与によりレボドパへの感作を示し、かつ8-OH-DPATがそれを抑制した。それらの結果に基づいて、6-OHDA+レボドパ群(LID群)と6-OHDA+レボドパ+8-OH-DPATおよび塩酸ベンセラジド追加群(DPAT群)の間で比較検討した。LID群の病変側の淡蒼球内節の肥大がみられ、この肥大は髄鞘染色により神経網の拡大によるものであることが確認された。このような肥大は6-OHDAラットでは起こらず、またDPAT群でも抑制された。淡蒼球内節の肥大はレボドパへの感作と関係しており、病変側が肥大したことは淡蒼球内節へ投射するGABA作動性神経終末の肥大であり、GABA作動性神経ニューロンが関与していることを示すものである。このことは臨床的に効果の確認されている淡蒼球内節破壊術、視床下核の深部脳刺激が淡蒼球内節の活動性を低下させるものであり、しかも内節破壊術はLIDに著効するが視床下核刺激は無効であることで説明できる。すなわち、視床下核から内節へのグルタミン酸入力より、線条体または淡蒼球外節からのGABA入力が重要なことを示している。
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