研究概要 |
1.京都府立医大神経内科を受診したHCV陽性のニューロパチー患者11名について臨床的,電気生理学的検討を行った.臨床的には多発ニューロパチー5例,多発性単ニューロパチー2例,脳神経に限局するニューロパチー2例,水痘帯状庖疹ウイルス(VZV)感染の部分症状としてニューロパチー2例であった.血液生化学検査では4例でクリオグロブリン(CG)を認めた.多発性単ニューロパチーの2例はともにCG血症を認め,寒冷などにより症状が増悪することが特徴であった.神経伝導検査を行った9例では,CMAPあるいはSNAPの低下,F波の出現頻度の減少などを認めたが特異的な所見は認めなかった.(発表予定第43回日本神経学会総会,札幌,2002年5月29日〜31日).一例に関しては詳細を専門誌に発表した(臨床神経学40:591-595,2000).神経生検査は現時点では実施例なく組織学的検討はできなかった. 2.京都府立医大消化器内科に入院したC型肝炎患者でニューロパチーの有無の電気生理学的な検討を開始した.免疫学的機序を検討するため,これらの患者のTh1,Th2リンパ球のflow cytometryによる測定を開始した. 3.前年度に引き続き予備実験として,一過性脳虚血の海馬におけるiNOSと組織障害の経時的関連を検討したこの内容についてはVascular factors in Alzheimer's disease(Kyoto, Apr7-10)で発表予定である.今後HCV関連ニューロパチー患者の生検査神経で応用予定である.
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