研究課題/領域番号 |
12670644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
荘司 裕 秋田大学, 医学部, 助手 (80292382)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | カルニチントランスポータ異常症 / 心筋症 / カルニチントランスポータ / 特発性心筋症 |
研究概要 |
カルニチントランスポータ(OCTN2)遺伝子異常による全身型カルニチン欠損症は脂肪酸酸化の先天性代謝異常に分類され、ライ様症候群や心筋症による突然死の危険性をもっている。また、レ-カルニチン内服にて症状が著しく改善することが観察されている。本疾患は日本では稀なため、あまり知られておらず、特に心筋症状のみが小児期後半から前面に立った場合は原因不明の心筋症として取り扱われ、治療可能であるにも関わらず見過ごされていることが推測される。 この研究の目的は、日本人特発性心筋症症例におけるカルニチントランスポータ異常の頻度を求めることである。我々は非血縁関係の秋田県在住の日本人特発性心筋症52症例を対象として、カルニチン動態をインフオームド・コンセントを得て検索した。検査対象として有効であった42例中(男31例、女11例、平均年齢58歳、年齢範囲13〜87)において、血中総カルニチン値の平均±SDは67.2±16.6μmol/L、血中遊離カルニチン値は56.3±14.5μmol/L、尿中遊離カルニチン値は90.3±150.4μmol/g Creatinineであった。この中に再検査でも、総カルニチンが46μmol/Lで遊離カルニチンが36μmo1/L以下の症例を1例見いだしヘテロ接合体の可能性が想定された。しかし、インフォームド・コンセントを得て検索したこの患者のOCTN2遺伝子解析(エキソン・イントロン境界部を含む全コード領域のゲノムDNAとmRNAレベルでの解析)の結果は正常であることが判明した。これは、対象者が御高齢のため食事内容にかなり偏りがあったためと推定している。 以上の結果から、今回の研究では、カルニチントランスポータ異常症は発見されなかった。カルニチントランスポータ異常症の一部は、心筋症のみが前面にたって発症することが欧米で報告されているが、このような臨床型を示すカルニチントランスポータ異常症は、日本人心筋症における頻度は低いのではないかと推定された。今後、特発性心筋症の中で若年発症に限定した母集団とする検索も必要であると思われた。
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