研究課題/領域番号 |
12670645
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
山口 清司 山形大学, 医学部, 講師 (30239892)
|
研究分担者 |
吉村 哲彦 (財)山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所, 部長 (70271517)
佐田 誠 山形大学, 医学部, 講師 (00280892)
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 講師 (40272067)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | Fas / Fas ligand / apoptosis / cardiomyocyte / heart failure / doxorubicin / FLIP / Reactive oxygen species / doxorubinlin / reactive oxygen species |
研究概要 |
Fas/Fas ligandシステムは多くの組織でアポトーシスを誘導し、生体の恒常性の維持にあずかっている。我々は心不全患者の血中可溶型Fas ligandが増加しており、その産生の一部は心臓由来であることを示唆した。Fas ligandが心筋細胞アポトーシスを誘導し得るかは不明であったが、ラット培養心筋細胞において高濃度のFas ligandでのみアポトーシス誘導が可能であり、心筋はFas抵抗性を有していると考えられた(平成12年度報告)。ドキソルビシン前投与後にFas ligandの添加によりカスペース8活性は著増した。FLICE inhibitory protein(FLIP)はカスペース8の阻害蛋白であり、TNFファミリーによるアポトーシスを抑制することが知られている。【目的】ドキソルビシン前処置によって心筋細胞のFasに対する感受性が増加する機序を検討した。【方法】新生児ラットより単離した心筋細胞を用いて、ドキソルビシン前処置12時間後にrecombinant Fas ligandを投与した。N-acetylcysteine (NAC;50μM), superoxide dismutase (SOD;500u/ml)およびcatalase (CAT;500u/ml)はドキソルビシンと同時に投与した。FLIPの蛋白発現はウェスタンブロッティング法を用いた。カスペース8活性はcolorimetric protease assayを用いた。脂質過酸化物の測定はTBARS法を用いた。【結果】FLIPはドキソルビシンにより濃度および時間依存性に低下した。NACあるいはSOD+CATを用いたところ、ドキソルビシンによるFLIPの発現低下は回復した。同時に、これらの抗酸化剤によりドキソルビシンによるFas感受性の増強は消失した。ドキソルビシンとFas ligandの投与で相乗的に増加したカスペース8活性はNAC, SOD+CATによって消失した。次に、過酸化水素を前投与したところFLIPは濃度依存的に低下し、同時にFas感受性が増加した。【統括】心筋におけるドキソルビシンによるFas感受性増加にFLIP発現の低下が関与している。また、FLIP発現は酸化ストレスにより修飾される。
|