研究課題/領域番号 |
12670666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
酒井 尚彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80294073)
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研究分担者 |
平野 賢一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30332737)
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243242)
西田 誠 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 動脈硬化 / コレステロール逆転送 / HDL受容体 / マクロファージ / GPI-anchor蛋白 / コレステロールエフラックス / 高比重リポ蛋白(HDL) / moesin |
研究概要 |
我々は、リガンドブロティングによってヒト単球由来マクロファージ(MΦ)においてHDLに特異的に結合し、MΦからのeffluxに関与するHDL結合蛋白の存在を明らかにした。この分子量80KDaの蛋白はMΦにコレステロール負荷することによって誘導される細胞膜表面のHDL受容体であり、コレステロールに富む細胞膜分画Detergent Resistant Membrane(DRM)に局在するGPI-anchor型HDL結合蛋白である。PI-PLCにて処理した単層培養MΦの培養上清よりHDLアフィニティカラムを用いて精製した蛋白をエンドペプチダーゼ処理し、フラグメントのアミノ酸配列を決定すると、ヒトmoesinの内部配列と一致した。これまで、moesinは細胞膜の細胞質側に存在し、またGPI-anchor型蛋白でもないことが報告されているが、moesinに対する抗体はこのmoesin様GPI-anchor型HDL結合蛋白を認識することを確認した。次にこの抗moesin抗体を用いてMΦを前処理するとHDLおよびapoA-IのMΦに対する結合が阻害され、それに引き続くコレステロール引き抜きも抑制された。また、抗moesin抗体を用いたMΦの膜蛋白の二次元電気泳動と免疫組織化学的検索によって、このmoesin様HDL結合蛋白が実際に細胞膜表面に発現していることを確認した。さらにmoesin様HDL結合蛋白はMΦに特異的に発現され、MΦの分化およびコレステロール負荷によって発現が誘導された。以上のことからこの新しく発見したmoesin様HDL結合蛋白は細胞表面に存在し、コレステロール引き抜きに関与するGPI-anchor型のHDL結合蛋白であることが示された。今後、MΦのcDNAライブラリーをスクリーニングして、cDNAをクローニングしmoesinとの同一性およびさらなる機能・構造の解析を行う。
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