研究課題/領域番号 |
12670676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
筒井 裕之 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (70264017)
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研究分担者 |
康 東天 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80214716)
内海 英雄 九州大学, 薬学研究院, 教授 (20101694)
久保田 徹 九州大学, 医学研究院, 助手 (40325444)
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 心不全 / 心筋梗塞 / リモデリング / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 活性酸素種 / 抗酸化薬 |
研究概要 |
スーパーオキサイドアニオン(・O2_-)やヒドロキシラジカル(・OH)などの活性酸素種は、心筋収縮や細胞構築を障害し、左室リモデリング・心不全の形成・進展に関与すると考えられる。本研究では、不全心筋における酸化ストレスの発生機序およびその役割を検討した。心不全に陥った心筋では・O2_-とH2O2由来の・OHが有意に増加した。不全心では、心筋細胞ミトコンドリア電子伝達系における活性酸素の産生が亢進している。本研究では、ミトコンドリアが、活性酸素の産生源であると同時に、そのターゲットとなりミトコンドリアDNAが傷害されることをあきらかにした。梗塞後リモデリングに陥った不全心筋では、ミトコンドリアDNAのコピー数が減少しており、さらにミトコンドリアDNAでコードされている電子伝達系複合体サブユニットのmRNAの低下、および複合体酵素活性の低下をみとめる。ミトコンドリア電子伝達系の複合体酵素の活性低下は、電子の伝達障害をきたし、さらなる活性酸素種の産生をもたらすため、悪循環を形成し、ミトコンドリアでの酸化ストレスをさらに亢進させると予想された。一方、不全心筋組織では8-オキソグアニンのレベルが増加しており、同時に、hMTH1蛋白も心筋細胞で増加していた。したがって、不全心筋では、ミトコンドリアでの活性酸素の増加に対して、酸化的DNA損傷の防御機構はむしろ活性化されていることがあきらかとなった。今後、ミトコンドリアDNAの酸化傷害の分子機序の解明、さらにその抑制による新たな左室リモデリング・心不全の治療法の開発が期待される。
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