研究課題/領域番号 |
12670725
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
澤石 由記夫 秋田大学, 医学部, 講師 (90250894)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | SSPE / RT-PCR / nestedーPCR / hypermutation / M蛋白 / nested-PCR / 塩基配列 / 麻疹 |
研究概要 |
麻疹ウイルスM蛋白遺伝子のAが選択的にGに変異(biased hypermutation)しSSPEウイルスが生じる。神経細胞で活性が高いunwindase蛋白(二本鎖RNAを解きほぐす)がこの変異に関与する。麻疹ウイルスがSSPEウイルスになるにはM蛋白遺伝子のAが、最低何個Gに変異する必要があるのか、その数が問題なのか、変異するアミノ酸が問題なのか、部位が問題なのか、不明である。この点を解明するため、通常の潜伏期間(7〜8年)で発症した症例1と、短い潜伏期間(3年)で発症した症例2と症例3を対象とし、hypermutationの詳細を検討するために、経時的保存髄液中のM蛋白遺伝子増幅法を開発した。一定のprimerを用い、RT-PCRおよびnested PCRを行うことにより、10年前の保存髄液からも安定してPCR産物を得ることができた。しかし、オートシークエンサ-で求めた、塩基配列は、種々の塩基が混在するパターンで、特定のピークを識別することができなかった。PCR産物をゲルから切り出し生成しても、あるいは精製キットを使用しても同様で、sequence primerを変更しても改善を得ることができなかった。原因として、髄液中に存在するSSPE virusは、異なるhypermutationを持つ幾つものクローンからなっている可能性が考えられる。本研究は重要な内容を含んでおり、引き続き研究を継続する予定である。 なを、学童期にSSPEの鑑別疾患となる若年型Alexander病を疑われる症例を経験し、遺伝子診断を行い、SSPEではなくAlexander病であると確定診断した。これまでにない遺伝子変異の発見であり、結果は論文として発表した。
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