研究課題/領域番号 |
12670745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森島 恒雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (90157892)
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研究分担者 |
木村 宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30303621)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 急性脳炎 / 急性脳症 / 単純ヘルペスウイルス / 新生児ヘルペス / インフルエンザウイルス / 麻疹ウイルス / SSPE / サイトカイン / EBウイルス / HHV-6 / インフルエンザ / エンテロ71脳炎 / インフルエンザ脳炎 / インフルエンザ脳症 / 単純ヘルペス脳炎 / E-セレクチン |
研究概要 |
小児の急性脳炎・脳症は、年間1000〜2000例発症すると考えられ、致命率が高く、また、重篤な神経後遺症を残すことで知られている。本研究は・ウイルス性脳炎・脳症について、疫学、臨床像、ウイルス学的解析、発症病理、治療法などについて、1.単純ヘルペス脳炎、2.新生児ヘルペス、3.インフルエンザ脳症、4.SSPE、5.その他について、検討し、以下の結果を得た。 1.単純ヘルペス脳炎:PCR法で確定診断した小児の単純ヘルペス脳炎について解析し、本症ではしばしば再発が起きること、その再発の要因として急性期の抗ウイルス剤による治療が十分でない場合に再発しやすいことなどを明らかにした。 2.新生児ヘルペス:本症はHSV1型および2型の母子感染によって生ずる。近年、2型の症例の報告が増加し、再発も認められる。本研究では、2型の感染時、髄液中に有意に多量のウイルスDNAが認められ、新生児ヘルペス中枢神経型を起こしやすいことが示された。また、2型の感染では、有意に再発を起こしやすく、また、神経学的予後も悪かった。 3.インフルエンザ脳症は、A香港型が他の型に比べ、本症を起こしやすいことが示された。高サイトカイン血症と髄液中の高サイトカイン値および血管内皮の障害が示された。他のウイルスの関与は、調べた範囲内では認められなかった。 4.極めて予後の悪いSSPE患者に対して、倫理委員会の承認の下、リバビリンとインターフェロンαの併用脳室内注入療法を実施した。麻疹(SSPE)ウイルスの増殖を抑制する可能性が示され、本治療法の有効性が示唆された。 以上のごとく、ウイルス性脳炎・脳症の病態について、いくつかの重要な知見が得られた。
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