研究課題/領域番号 |
12670762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
泉 達郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (80119891)
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研究分担者 |
今井 一秀 大分医科大学, 医学部, 助手 (50295177)
前田 知己 大分医科大学, 医学部, 助手 (80264349)
古城 昌展 大分医科大学, 医学部, 助教授 (10215262)
和田 雅臣 大分医科大学, 医学部, 講師 (30295175)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | West症候群 / 大脳皮質異形成 / 神経放射線 / 脳外科手術 / 神経放射線学的所見 / 皮質異形成 / 点頭てんかん / ガングリオシド / Dlx遺伝子 / 長期予後 |
研究概要 |
West症候群は乳児期の難治性てんかんで、ビタミンB6やゾニサミド、クロナゼパム、バルプロ酸などの抗てんかん剤で発作が軽快、消失する症例は10-15%以下で、その他の症例はACTH療法となり、一部の症例が外科的治療の適応となる。ACTHは70-80%の症例で発作の軽快、消失を示すも、その作用は一過性で、長期予後の改善に繋がらず、易感染性や医原性Cushing症候群、脳萎縮が指摘されており、我々はACTH自体による乳幼児未熟脳の発達抑制や多動などの行動異常の可能性を示唆して来た。一部の症例ではあるが、一次的に脳外科手術の適応となりうる症例の早期発見と早期の適切な手術は予後の改善に有効であり、手術例の術前治療と手術までの期間、基礎病変について、臨床発作と発作時脳波、神経放射線学的所見と手術時切除脳組織の神経病理、手術後の長期予後について検討した。 症例:平成5・14年の10年間に、脳外科手術を受けたWest症候群は7例で、男:女=4:3、1例が6か月発症の潜因性West症候群で、他の6例は生後1・30日に焦点性痙攣が発症し、1・3か月までに、半身性痙攣や二次性全身性強直、強直間代性痙攣を呈すようになり、シリーズ形成を伴う強直痙攣に移行し、脳波上hypsarrhytsmiaを認めた。 神経画像所見:症候性West症候群6例中、4例は一側半球に限局した局在性厚脳回を生体とした皮質異形成を呈し、1例が半球性巨脳症、1例が両側性滑脳症を認めた。ACTHは潜因性1例、局在性厚脳回2例の3例に反復して投与されたが、他の4例はACTH療法なしに手術を施行した。 神経病理:大脳皮質異形成で、大脳皮質3・4層を中心とする神経細胞の発生、遊走障害、柱状構造や極性異常、集族、大小不同、を認めた。 予後と考察:限局性皮質異形成には、そのてんかん焦点の離断、切徐術、機能的半球切徐術、潜囚性と両側性滑脳症例には全脳梁離断術がなされた。ACTH療法を受けることなく、早期にてんかん焦点の離断、切徐術を受けた3例は発作の完全な、消失を得、より良好な精神運動発達を示した。全脳梁離術の2例は発作の抑制は一過性であったが、点頭てんかんは消失し、発作の改善には有効であった。即ち、半球性限局性皮質異形成で焦点性痙攣より、二次性点頭てんかんを呈する症例は一次的脳外科手術の適応となりうる。 基礎病変として7例中3例が低メラニン症伊藤で、West症候群と大脳皮質異形成については今後、更に検討が必要である。
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