研究課題/領域番号 |
12670840
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川久保 洋 東海大学, 医学部, 助教授 (70204691)
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研究分担者 |
諏訪部 寿子 東海大学, 医学部, 助手 (10307283)
松山 孝 東海大学, 医学部, 講師 (80266428)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 染毛剤 / パラメフェニレンジアミン / チトクロームP450 / 表皮 / ヒト / パラフェニレンジアミン / 接触過敏症 |
研究概要 |
本邦において代表的な染毛剤成分であるパラフェニレンジアミン(PPD)は、しばしば重篤な接触皮膚炎を起こすことで知られているが、その反応には大きな個体差があることが臨床的に観察されている。この物質は芳香族アミンに属し、その活性化は酸化反応を経由すると考えられている。そこで、接触皮膚炎の反応の場である表皮において、皮膚において酸化反応が起こりうるか否かについて、検討を試みた,まず、パラフェニレンジアミンの活性化反応の特徴を検討するため、ラット肝S9を入手し、in vitroでの活性代謝産物の生成を検討した。その結果、チトクロームP450の阻害剤であるクロトリマゾールによる反応により代謝産物の生成が抑制されたため、チトクロームP450分子種の関与が考えられた。そこで、まず芳香族アミンの酸化に関わるとされるCYP1B1、CYP2C9、CYP2E1、:CYP3A4について抗血清を用い、免疫組織化学的に局在を調べた。その結果、CYP1B1は表皮ではほとんど発現をみず、真皮の血管内皮細胞、エクリン汗腺導管部に存在し、CYP2C9、2E1、3A4(あるいは3A7)は表皮に存在し、同部でのPPDの活性化に寄与していることが考えられた。しかしながら、2C9の発現の程度は弱く、また、preliminaryに実施した、ヒト皮膚S9を用いたトルブタマイド(CYP2C9の基質)の水酸化反応の活性も測定限界以下であったことから、調べ得た範囲では関与が考えられるチトクローム分子種は2E1および3A4と予想された。CYP2E1および3A4ではその遺伝子に多形があることが知られているが、その多形が実際にPPDの酸化反応に関連するかについては定かではない。そのため、代謝的に検討を行ったが、微量の代謝産物を測定する系が確立できず、今後の課題として残った。今後はPPDの酸化反応に関わるチトクローム分子種を同定し、かつその遺伝的多形性について検討を加え、疾病の予防に寄与できるシステムの確立につとめたい。
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