研究課題/領域番号 |
12670843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
溝口 昌子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010250)
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研究分担者 |
河 陽子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10082273)
鹿島 眞人 (鹿島 真人) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50169421)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | メラノサイトの分化 / All trans retinoic acid(ATRA) / MITF / PKCα / 悪性黒色腫の治療 / apoptosis / 神経冠由来メラノサイト培養株 / All trans retinoic acid (ATRA) |
研究概要 |
All trans retinoicacid(ATRA)がマウス神経冠細胞由来メラノサイト前駆細胞株に及ぼす影響について検討した。このメラノサイト前駆細胞株は当教室で樹立したcell lineで、tyrosinase陰性、DOPA反応陰性の分化段階にとどまる幼弱な細胞であるため、メラノサイトの分化誘導因子を検討するのに最適である。このcell lineにATRAを添加培養したところ、濃度依存性に増殖は抑制された。さらに、この抑制の機序は電顕的観察、TUNEL法、DNA fragmentation assay、flow cytometryでapoptosisであることが証明された。さらにこのapoptosisのシグナル伝達機構は免疫染色、westen blotでcaspase-3の発現増加とbcl-2の発現減弱によることが証明された。また、ATRAを添加培養すると、tyrosinase、DOPA反応ともに陽性に変化し、形態学的にも樹枝状に変化した。また、電顕的観察にてStageの進んだmelanosomeの存在が確認された。さらに、この分化誘導のシグナル伝達機構は細胞内のPKC(protein kinase C)αの増幅と、tyrosinaseの転写因子であるMITF(microphthalmia-associated transcription factor)mRNAの増幅であることが確認された。以上のことから、ATRAはメラノサイト前駆細胞を強力に分化誘導し、最終的にapoptosisに陥ることが証明された。このことは、悪性黒色腫の治療にretinoic acidによる分化誘導療法が有用となるうる可能性があることを示している。
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