研究課題/領域番号 |
12670848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊達 広行 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10197600)
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研究分担者 |
山本 徹 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80261361)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 磁気共鳴 / 脳機能 / 医用画像 / 画像処理 / アーチファクト / MRI |
研究概要 |
脳表動脈の拍動した血流がfMRIに対する拍動の影響の主因であると言われてきたが、むしろ、拍動に同期した脳実質の微小な(1mm以下)振動が賦活描出の再現性に最も影響していることを明らかにした。拍動および呼吸の影響を補正する最良の対策法であるPhysioFixによる画質改善の程度については、k-spaceでの補正とimage spaceでの補正の効果に違いがあると予想されていた。しかし、画質改善の程度はむしろfMRIで用いる刺激周期と拍動または呼吸の周期の相関に強く依存し、その相関が大きな時ほど有効に働くことが明らかになった。これにより、PhysioFixによる改善の程度が顕著である場合とそうでない場合があることの理由を初めて明らかにした。 脳賦活部位の還元型ヘモグロビン量変化の解釈がfMRIと近赤外分光法とでは全く逆の現象があり数年来謎とされてきた。fMRIの検出感度を向上させるためには、fMRIの信号強度変化がいかなる生理的変化により発生しているかを明らかにすることが必須であった。そこで、fMRIと近赤外分光法から得られる脳血行動態の解釈の相違を解消し、双方のデータを統一的に解釈する理論を確立した。さらに、実験により理論の正当性を確認し、次の事項が新たに明らかになった。1)賦活焦点では毛細血管が豊富であり、そこでは還元型ヘモグロビン量が増加してもfMRI信号強度の増加は起こり得る。2)従来の理論ではfMRIの信号強度変化と還元型ヘモグロビン量変化には強い(負)相関があると言われできたがむしろ酸素型ヘモグロビン変化と強く(正)相関する。これらの新たな知見により、fMRIの検出感度向上のためには、生理的搖動対策に加え賦活焦点での毛細血管のダイナミクスに着目することが重要であることが明らかになった。
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