研究概要 |
研究実績の概要は以下の4項目にまとめられる. 1.小型肺腫瘤のセグメンテーション 胸部線CT像における小型肺腫瘤を対象とした特徴解析を行う上で腫瘤の領域抽出は非常に重要となる.本研究では淡い濃度を呈する症例,胸壁・血管と接している症例に対しても腫瘤の細かな形状を保持したまま領域抽出ができる手法を提案した. 2.小型肺腫瘤のフラクタル解析 胸部X線CT画像において肺腫瘤陰影を読影する際,腫瘤の辺縁,内部構造などの形状や濃淡分布などの特徴に着目する.しかしその評価は読影医の経験や主観などにより判断基準が個々に異なる.主観的指標による画像診断を,コンピュータにより客観的かつ定量的な情報とし読影医に提供する計算機支援診断システムへの期待が高まっている.本研究ではフラクタル解析を用いて,肺腫瘤の特徴量解析を行った. 3.World Wide Webを利用したコンピュータ支援診断サーバの構築 World Wide Webサーバを利用したコンピュータ支援診断システムを山口大学医学部附属病院放射線部LAN上に構築した.本システムでは読影作業とコンピュータ支援診断作業を連携できるインターフェイスを実装し,このインターフェイスを利用してCADとの連携を可能とした. 4.放射線画像データベースの構築 インターネットを介して,全国から教育・教訓的症例を収集し,大規模な放射線画像データベースを構築し,放射線科専門医認定試験受験者のオンライン学習や口答試験問題のコンピュータ化を実現した.本システムは,Webを利用することで,症例データの登録作業をオンライン化している.本システムでは、コンピュータ支援診断システムと連帯することにより日常診療においても使用可能なシステムとすることをめざしている.
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