研究課題/領域番号 |
12670895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
森 浩一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90274977)
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研究分担者 |
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (90285057)
鹿野 直人 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (80295435)
安藤 正海 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30013501)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | シンクロトロン放射光 / X線撮影 / 屈折コントラスト / 木製異物 / 微小骨折 / 石灰化 / 空間コヒーレンス / 被曝軽減 / 被曝線量の軽減 / 位相コントラスト / 骨画像 / フレネル回折 / 干渉性 |
研究概要 |
X線の空間干渉効果を利用した新しいX線画像法の診断能を病理標本などの撮影により調べた。実験には、物質構造科学研究所放射光研究施設と高輝度光科学研究センターのシンクロトロン放射光発生装置を利用した。 1.人の骨肉腫病理標本を試料として、屈折コントラスト画像、吸収コントラスト画像、MRI(磁気共鳴画像)を撮影した。骨梁や軟骨の形状・輪郭描写能とその微細変化の描写能は、MRIに比べ屈折コントラスト画像のほうが優れていた。同じ方法で小動物の関節を撮影した結果、屈折コントラスト画像は、関節構造の微細変化をより鮮明にとらえることができた。 2.空間干渉度の異なるX線を用いて屈折コントラスト画像を撮影した。第3世代のシンクロトロン装置は、実効的なX線焦点サイズが小さいので、この手法に特に適していることを示した。 3.乳房ファントムを撮影し、従来法画像と比較した診断能の違いを調べた。微小石灰化の検出能が特に優れていることがわかった。今後は、病理標本など、生体試料による実験を行なうことで新しい撮影法の有用性を評価する。 4.動物の生骨を用いて、微小骨折、軟骨、石灰化領域を撮影した。これらのどの部位に対しても、屈折コントラスト画像は、吸収コントラスト画像より優れた描写能を持つことを示した。微小骨折線の画像コントラストをX線のフレネル回折モデルで説明した。計算による画像コントラストは、実験で得られた画像コントラストとよく一致した。整形外科領域における新しい手法の有用性を指摘した。 5.木製異物による軟口蓋の穿刺症例モデルにおける屈折コントラスト画像の描写能を実験により調べた。食用豚の頭部を用いて、これに口腔〜頭蓋底まで木箸を刺した。医療用増感紙を用いて側面画像を撮影した結果、屈折コントラスト画像では、吸収コントラスト画像で描写できない木箸像を鮮明にとらえることができた。救急外科領域における有用性を指摘した。
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