研究概要 |
我々のこれまでの一連の研究(平成5,6,7年度科学研究費補助金(一般研究C05670788)「免疫調節物質を血管内手術的に局所的に作用させる脳腫瘍に対する新しい免疫療法の開発」)は、リピオドールとマニトール/グリセオール,水溶性造影剤による安定なエマルジョンによる薬剤輸送系を用いた動注塞栓療法(TAE)の物理化学的な性質について,ある程度の成果を修めている.すでに本邦でも広く行われている原発性肝癌(HCC)に対するTAEにおいてこの輸送系の選択的塞栓効果について検討を行った. このエマルジョンを用いて選択的あるいは超選択的に肝動脈あるいはその分枝を塞栓し、HCC組織に集積したリピオドールによる濃度をCT値により計測し、従来の懸濁液によるTAEと比較した。 症例数が少ないためにまだ統計学的な差異について論ずる段階にはない。 更なる臨床データーの蓄積と、このエマルジョンの物理化学的性質、脳腫瘍に対しての応用が今後の課題と考えている。
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