研究課題/領域番号 |
12670962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
内藤 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00247644)
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研究分担者 |
尾崎 紀夫 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40281480)
澤田 誠 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10187297)
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60312112)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非定型痴呆 / アルツハイマー型痴呆 / ミクログリア / HLA-DR / 神経原繊維 / タウ遺伝子 / Val279Met / タウ蛋白 / アポプロテインE遺伝子 / 遺伝子多型 / アポリポプロテインE遺伝子 / DNTC / presenile dementia / neurofibrillary tangle / microglia / inflammation |
研究概要 |
非定型痴呆のDiffuse neurofibrillary tangles with calcification(DNTC)とアルツハイマー病(AD)の差異から、痴呆や神経変性の成因についての解明を試みた。DNTCの病理変化では神経原繊維が主体でありADに出現する老人斑は見られないことから、死後脳を用いてDNTC患者の神経原繊維変化に伴うグリア細胞の役割を免疫組織化学的に検討し、タウ蛋白及びApoE蛋白遺伝子での遺伝子変異解析を行った。 [ミクログリア活性化機構の解明] 病理診断でのDNTCとAD患者各6名の死後脳を用い、HLA-DR陽性ミクログリアの分布と、抗アミロイドPとC3d抗体による二重染色で老人班との共存を確認した。HLA-DR陽性ミクログリアはAD患者の老人斑に関連して強く認められた。一方DNTC患者脳では老人斑は欠如しているものの神経原繊維変化のある部位にHLA-DR陽性マイクログリアが集積しており、同時に抗アミロイドP及びC3d抗体でも陽性であった。このことからDNTC患者においては細胞外のミクログリアの免疫・炎症反応が病理過程に関与していることが示唆された。 [DNTC患者におけるゲノム遺伝子多型の解析] 臨床的診断でのDNTC患者5名、AD患者10名に文書による同意を本人および家人から得た後、末梢血リンパ球からゲノム遺伝子を抽出した。AD病のリスクファクターと考えられているアポリポタンパクEの遺伝子多型をPCR-RFLPにより解析した。タウ遺伝子については全てのアミノ酸コード領域についてゲノム遺伝子を増幅するプライマーを設計し、ダイレクトシークエンス法、及びdHPLC法で変異を検索した。アポリポタンパクEの遺伝子多型について、DNTC患者5名は全てAD病と同様e3/e3のホモであったが、タウ遺伝子解析では5名のDNTC患者のみ全例にVal279Metのアミノ酸置換を同定し、非定型痴呆との関連が示唆された。 今後は剖検脳からの多型解析を含め非定型痴呆患者の例数を増やして上記の知見をさらに確認していく。同時にこのアミノ酸置換がタウ蛋白リン酸化や凝集とどの様に関連しているのか、機能解析もすすめ、原因遺伝子変異であるか否かを確認していく予定である。
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