研究課題/領域番号 |
12671020
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40260426)
|
研究分担者 |
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | Na-Clトランスポーター / ギテルマン症候群 / 遺伝子転写 / トランスジェニック・ラット / ステロイドホルモン / HFH-2 / 腎曲尿細管 / HFH-3 / 転写調節 |
研究概要 |
サイアザイド感受性Na-Clトランスポーター(TSC)遺伝子は腎皮質部曲尿鋼管に局在しており、この部位において腎糸球体から濾過されたNaClの約7%がTSCを介した機構によって再吸収されている。本研究では、このTSC遺伝子の腎曲尿細管での特異的発現機構を遺伝子転写のレベルにおいて解明した。まずラットTSC遺伝子の機能的遺伝子転写調節領域をクローニングし、これをLacZ遺伝子の上流に融合したコンストラクトを作製した。これを用いてトランスジェニック・ラットを作製し、各組織におけるLacZ発現をベータガラクトシダーゼ蛋白の免疫組織染色にて検討した。その結果、LacZは腎臓にのみ有意に発現がみられ、腎臓のなかでもTSC発現が免疫組織染色にて確認できる皮質部遠位部尿細管にその発現が局在していた。このことから、我々がクローニングし構造を明らかにした転写領域には腎曲尿細管特異的発現を規定する核酸領域があることが判明した。この転写領域を調べてみると、HFH-3という腎曲尿細管特異的発現がみられる転写因子の応答配列に類似した構造が有り、ゲルシフト・アッセイやルシフェラーゼ・レポーター・アッセイによってこれが機能的HFH-3応答領域であることを確認した。おそらくは、TSC遺伝子は遺伝子転写レベルでHFH-3依存性に腎曲尿細管発現が規定されているものと考えられた。また、TSC遺伝子の転写領域はステロイド(アルドステロンなど)によってアップレギュレーションされていることが示され、これらステロイドによるNaCl再吸収亢進機能にTSC遺伝子発現増加が関係している可能性が示唆された。今後、我々が作製したトランスジェニック・ラットを用いin vivoの系において、ステロイドをはじめとする腎尿細管NaClに影響を及ぼす因子とTSC遺伝子発現について検討を加え、その臨床的意義を明らかにしたい。
|