研究課題/領域番号 |
12671033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 亨 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00206484)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | IgA nephropathy / Haemophilus parainfluenzae / tonsil / mucosal immunity / lymphocyte function / mouse model / cytokine |
研究概要 |
lgA腎症の発症の病因としてのlgA型免疫複合体の原因抗原として、Heamophilus parainfluenzae(HP)の外膜成分に焦点を絞り、本症患者の扁桃組織中リンパ球(TL細胞)の、HP抗原に対する特異的IgA1抗体の産生機序の解明と治療法の確立のための動物モデルの開発を目的とし、研究を遂行した。 研究実施計画に沿って、lgA腎症例と腎機能正常な慢性扁桃炎例(対照群)において、患者のTL細胞のHP抗原に対する特異的lgA1産生の解析を、リンパ球培養上清中のHP抗原特異的lgA1値および各種サイトカイン濃度を測定して、以下に示す新たな知見を得た。(1)lgA腎症患者および対照群のTL細胞を、HP抗原にて刺激し、ELISAによる培養上清中1gA1型抗HP抗体価の検討を行った結果、lgA腎症群は対照群に比して、有意なlgA1抗体の産生亢進を示した.(2)培養上清中1gA2型抗HP抗体価は、両群間において、有意な差は認められなかった.(3)HP抗原刺激によるIL-10とTGF-βの有意な産生亢進が、両群において認められた.(4)HP抗原刺激によるlgGおよびIgM型抗HP抗体価、IL-4とIL-6の産生は、両群間において有意な差は認められなかった。(5)lgA腎症群は、対照群に比して、HP抗原刺激によるIFN-γおよびtotal IgA産生の有意な亢進を示した。(6)IgA腎症群は、抗原刺激なしでも、IFN-γとtotal IgA産生の有意な亢進を示した。(7)両群とも、刺激の有無にかかわらず、IFN-γおよびtotal IgA産生の間に、有意な正の相関を示した。(8)lgA腎症群においては、HP抗原刺激によるHP特異的IgAの有意な産生亢進を認めたが、対照群においては認められなかった。 一方、動物モデル作製を目的として、C3H/HeNマウスにHP抗原を投与した結果、(9)腹腔内投与により10週後より糸球体IgAとC3沈着、糸球体病変の出現を、経口投与により30週後より同様の病変の出現、(10)20週後より両群において、IgA型抗HP抗体価の上昇、が認められた。(11)経口投与群では30週後をピークとしてIgA型抗HP抗体価が対照と比べて有意に上昇を示し、一方(12)腹腔内投与群では、経口投与群に比べてIgG型、IgM型抗HP抗体価の上昇が有意に認められ、(13)腎組織変化では、両群で30〜40週よりIgAの糸球体沈着とメサンギウム基質の増加が認められた。 以上より、IgA腎症の発症機序において、HP菌体外膜抗原が扁桃組織リンパ球を中心とした局所免疫機構と共に重要な役割を果していることが示唆された。また、C3H/HeNマウスにHP菌体外膜抗原を投与することにより、ヒトIgA腎症に類似した糸球体病変を惹起できること明らかとなり、治療法の確立を目指すための動物モデルとしての可能性が示唆された。
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