研究課題/領域番号 |
12671044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
安藤 康宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (50212676)
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研究分担者 |
斉藤 修 自治医科大学, 医学部, 助手 (10285778)
草野 英二 自治医科大学, 医学部, 教授 (50102249)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | バソプレシン / オキシトシン / 集合尿細管 / ヘレンの太い上行脚 / cyclic GMP / uroguanylin / protein kinase C / Ca ionophore / 髄質部ヘンレの太い上行脚 / ラット / マウス / ヘンレの太い上行脚 / ナトリウム輸送 |
研究概要 |
1.ウサギ皮質部集合尿細管(CCD)でのオキシトシン(OT)作用 ウサギCCDにおいて基底膜側OTは基底膜側バソプレシンV2受容体作用ときわめて類似した経上皮電位(Vt)変化、水透過性亢進を来した。この電位変化は選択的OT受容体刺激薬で再現できず、V1受容体拮抗薬で抑制されなかったことから、V2受容体を介すると考えられた。なお我々はすでにOTがこの尿細管部位で管腔側OTの作用はV1受容体依存性であることを確認している。よってウサギ皮質部集合尿細管でのOT受容体の固有作用は確認できなかった。 2.セカンドメッセンジャー側からのOT尿細管作用の検索 1)cGMP系:ウサギのヘンレの太い上行脚皮質部(CAL)、同髄質部(MAL)、及びCCD、髄質部外側集合管(OMCD)、髄質部内側集合管(IMCD)いずれにおいても、uroguanylinはいずれにおいてもVt変化は来さなかった。8-bromo-cGMPはMALではVt変化はなく、CCDではV2受容体作用と類似したVt変化と水透過性亢進がみられた。しかしこれはcGMP固有の作用ではなく、cross-reactionによってcyclicAMP系のシグナル伝達経路を刺激したものと考えられた。 2)細胞内Caイオン、protein kinase C(PKC)系:Ca-ionophore(ionomycin)は、ラットMALでCl輸送(JCl)を増加させ、マウスMALでは抑制した。PKC賦活剤、phorbol myristate acetate(PMA)は、いずれのMALにおいてもJClを変化させなかった。Indomethacin前処置後にionomycinを投与したところ、ラットMALでのJCl亢進は不変だが、マウスMALでのJCl抑制は減弱した。マウスMALでは細胞内Ca上昇が、一部プロスタグランディン産生を介してNa再吸収抑制に働く可能性が示唆された。ラットMALでのionomycinによるJClの上昇については、別のCa依存性シグナル伝達系の存在が示唆された。 3.まとめ 以上の検討からバゾプレシン腎作用において集合管のOT受容体の関与は否定的だが、MALでバゾプレシン作用がOT受容体〜細胞内Caを介している可能性は更に検討の余地がある。この際顕著な種差に鑑みて、複数の異なる種のMALを用いる必要がある。
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