研究課題/領域番号 |
12671056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山田 晴生 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70230472)
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研究分担者 |
足立 哲夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40137063)
佐久間 正人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90257684)
普天間 新生 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (80173508)
宮井 宏暢 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70190733)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | superoxide dismutase / oxygen radicals / nephritis / mesangial cell / gene regulation / differentiation / Superoxide Dismutase / Mesangial Cell / Oxygen Radical Species / Monoclonal Antibody / Oxygen Radical species |
研究概要 |
メサンギウム細胞は腎糸球体で腎炎の発症進展に重要な役割を果たしている。それはまた、腎炎の際の治療に重要な役割を果たしているステロイド剤の主要な標的細胞でもある。培養条件下ではPMA刺激でメサンギウム細胞はサイトカイン産生、活性酸素産生を行っていることが明らかとなり、cAMPにより制御されていることが判明した。また、メサンギウム細胞が培養条件下で、EC-SODを産生していることが明らかとなった。実験腎炎惹起物質、免疫複合体でメサンギウム細胞を刺激した結果、酸素ラジカルとケモカインの産生は増強した。その時に、メサンギウム細胞の機能と活性酸素代謝を検討すると、メサンギウム細胞の分化の程度とEC-SOD産生量は正の相関を、酸素ラジカル産生量と負の相関を、ケモカイン産生量とは負の相関を示した。 この制御因子を検討するため、メサンギウム細胞のcAMP産生とEC-SOD、酸素ラジカル、分化の程度との関連を検討した。その結果、cAMP産生とEC-SODと分化の程度は正の相関を、酸素ラジカルの産生とは負の相関を示した。グルココルチコイドを培養細胞に添加することでcAMPは増加し、EC-SOD産生は増強したが、ケモカイン産生は低下した。また、cAMP産生の阻害剤の添加でEC-SOD産生は抑制され、ケモカイン産生は増強した。このことから、グルココルチコイドはcAMP産生を介してEC-SODとメサンギウム細胞の分化を制御している可能性が示された。 このことは従来サイトカイン産生の制御を目的として臨床的に投与されてきたグルココルチコイドがメサンギウム細胞の分化と活性酸素消去酵素の産生増強を介して腎炎の制御に関与している可能性を示唆している。この研究からグルココルチコイドの新たな薬理作用が判明し腎炎の治療法解明に重要な結果が得られた。
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