研究課題/領域番号 |
12671062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上妻 志郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10272569)
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研究分担者 |
菊池 昭彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10280942)
藤井 知行 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40209010)
馬場 一憲 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30181035)
丸茂 元三 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282646)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 臍帯圧迫 / 羊胎仔 / 脳室周囲白質軟化症 / 脳室周囲白室軟化症 |
研究概要 |
近年の周産期医療の発展にも拘わらず、脳性麻輝(CP)の発生頻度は増加傾向にあると言われている。CPの約50%は脳室周囲白質軟化症(PVL)であり、有効なPVL予防策を開発することは、現在の周産期医療における急務の一つである。我々は、一過性変動性徐脈がPVLの発生に関与しているとする臨床報告に基づき、一過性変動性徐脈の原因とされる臍帯圧迫に伴う胎仔脳傷害の発生について、羊胎仔の慢性実験モデルを用いて検討してきた。 本研究期間においては、軽度臍帯圧迫の慢性的負荷がPVL発生の素因となるという仮説をたて、それを検証するため、羊胎仔慢性実験モデルに対し各種の慢性的部分臍帯圧迫を加えた後に従来の臍帯圧迫を負荷し、PVLが発生するかどうかについて検討した。 胎齢120日前後の羊胎仔の臍帯に装着したオクルーダに生理的食塩水を注入することにより、臍帯動脈血流量を25%、50%、75%減少させた。25%減少では心拍数、血圧には変化を及ぼさず、50%では血圧の変化を認めなかったが心拍数は軽度低下した。75%では血圧上昇、心拍数低下を認めた。部分圧迫中は頸動脈血流量は増加する傾向が認められた。 本慢性実験モデルを用い、前負荷として50%臍帯圧迫2分間を2分おきに1時間加え、その1時間後に完全閉塞3分解除5分間を5回繰り返した。圧迫実験終了24時間後に帝王切開にて胎児を娩出させ脳各部位を摘出し、組織学的検討を行ったところ、前負荷のないものに比し、脳傷害が軽度である傾向が認められた。 本研究で用いた程度の軽度臍帯圧迫の慢性的負荷は、脳障害の発生素因とはならず、むしろ耐性を誘導する可能性が示唆された。
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