研究課題/領域番号 |
12671085
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
置村 康彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (30204100)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | プロラクチン / 下垂体 / 転写因子 / mPOU / 下垂体腫瘍 / Pit-1 / ノックアウトマウス / PRL |
研究概要 |
私どもは、プロラクチン(PRL)遺伝子5'上流配列のPit-1結合DNAエレメントの結合する新規転写因子mPOUをクローニングしたが、このmPOUの生理的病理的意義を明らかにするため以下の検討を行なった。 種々のレポーター遺伝子を使用した一過性発現実験系で、Pit-1によって発現が制御される遺伝子のうち、PRL遺伝子に対しては、mPOUはPit-1と相乗的に発現を活性化することがわかった。成長ホルモン(GH)遺伝子に対しては、mPOUとPit-1は相加的に活性化した。一方、GH-releasing hormone受容体遺伝子に対しては、明確な作用を示さなかった。mPOUとPit-1はヘテロダイマー形成する証拠はなく、PRL遺伝子に対するmPOUおよびPit-1の相乗効果の機構は不明である。また、Pit-1の標的遺伝子に対してもmPOUの効果が異なるが、その機構も現在のところ不明である。 mPOUの一部のアミノ酸配列とヘモシアニンをコンジュゲートさせた後、家兎に免疫し、抗mPOU抗血清を得た。これを用いて、ヒト下垂体腺腫にmPOUが存在するか検討した。PRLおよびGH産生腺腫ではmPOU様免疫活性が核内だ存在した。一方、非機能性腺腫、FSH産生腺腫ではmPOU様免疫活性が検出できなかった。この成績とmPOUはPRL。GH遺伝子発現を促進するという一過性発現系での成績を総合すると、mPOUは下垂体PRL, GH産生細胞においてPRL、GH遺伝子発現を促進する方向に作用しているものと考えられる。 mPOUの生理的意義を明確にするため、mPOU遺伝子をGFPcDNAで置換させるGFPノックインターゲテイングベクターを作製している。GFPがmPOUに置き換わったノックアウトマウスを用いることにより、mPOUの生理的意義だけでなく、mPOUの時間的空間的発現様式も容易に検討できるものと考えられる。
|