研究課題/領域番号 |
12671090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永山 雄二 長崎大学, 医学部, 助教授 (30274632)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / 遺伝子治療 / 増殖型アデノウィルス / 増殖型アデノウイルス / アデノウイルス / p53 |
研究概要 |
甲状腺癌に対する増殖型アデノウイルスの治長効果を、それぞれ甲状腺分化癌、未分化癌で検討した。 (1)甲状腺分化癌に対する遺伝子治療:甲状腺特異的プロモーター(サイログロブリンプロモーター)でアデノウイルスの増殖に必須のE1A遺伝子が発現するウイルス(ただしE1B19Kはウイルスプロモーターで発現し、E1B55Kは欠失している)を作成した。このウイルスをサイログロブリンを発現する分化型甲状腺癌とサイログロブリンを発現しない他の癌細胞に感染させると、in vitro とin vivoにおいてサイログロブリン発現癌細胞特異的なE1A発現・ウイルス増殖・細胞変性効果が認められた。さらにそのウイルスと他の遺伝子療法-殺細胞遺伝子やサイトカイン発現アデノウイルスによる腫瘍免疫-との併用治療の効果を検討したところ、殺細胞遺伝子療法との併用では、同時投与の場合プロドラッグによる細胞死のため充分なウイルスの増殖がみられず併用効果は顕著でないが、増殖型ウイルスを遅らせて投与することにより明らかな併用効果が認められた。また免疫療法との併用では、in vitroで増殖型アデノウイルスによるE1A発現がサイトカイン発現非増殖型アデノウイルスの増殖を誘導しサイトカイン発現の著明な上昇が観察された。in vivoではヌードマウスによる実験のためNK細胞しか誘導されないが、このような条件でも明らかな併用効果がみられた。免疫が正常な場合にはより強い併用効果が期待される。 (2)甲状腺未分化癌に対する遺伝子治療:甲状腺未分化癌は高頻度に腫瘍抑制遺伝子p53に変異を持つ。よってp53反応性プロモーターでCre recombinaseが発現するアデノウイルスと、2つのloxPで挟まれたアデノE1A遺伝子がウイルスプロモーターで発現するウイルス(ただしE1B19Kはウイルスプロモーターで発現し、E1B55Kは欠失している)とを作成した。これらのウイルスをp53に変異を持つ甲状腺未分化癌細胞とp53正常癌細胞に共感染させると、in vitroにおいてp53遺伝子変異細胞特異的なE1A発現・ウイルス増殖・細胞変性効果を認められた。しかしin vivoでは共感染の確率が低く効果が不十分であった。そこでこの2種類のアデノウイルスの1本化を試みたが、p53反応性プロモーターがウイルス増殖に用いる293細胞において完全にsilentではないため、293細胞内でウイルス遺伝子の組換え・欠失が起こり、1本化は不可能であった。
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