研究課題/領域番号 |
12671107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 二郎 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40283444)
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研究分担者 |
中島 英太郎 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (50335030)
濱田 洋司 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (20293706)
茶谷 貞男 名古屋大学, 医学部, 助手 (30313993)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 糖尿病性神経障害 / シュワノーマ細胞 / ポリオール代謝 / プロテインキナーゼC / アルドース還元酵素阻害薬 / プロティンキナーゼC |
研究概要 |
【目的】糖尿病性神経障害の発症メカニズムを追究する目的で、培養ラットシュワノーマ細胞(JS-1細胞)を用い、神経細胞におけるPKC活性、MAPK活性および細胞増殖能に対する高濃度グルコースおよびポリオール代謝の影響を検討した。 【方法】1)JS-1細胞を5.5mMグルコースあるいは20mMグルコース(HG)条件下でアルドース還元酵素阻害薬(エパルレスタット:Ep;1μM)の存在下・非存在下で14日間培養、またはPKC-αアンチセンス処理あるいはP38MAPK特異的阻害剤であるSB203580(SB)処理を行った。2)細胞増殖能は[^3H]-thymidine(Thy)取り込み能で、PKC活性はジギトニンを用いたin situ assay、PKC isoform蛋白発現量はwestern blot analysisにより、MAPK活性はリン酸化/総MAPK蛋白発現量で評価した。 【成績】1)HGによりThy取り込み能は有意に低下し、この低下はEpにより有意に抑制された。2)HGにより有意に低下したPKC活性は、Epにより正常化された。3)各種PKC isoformのなかで膜分画におけるPKC-α蛋白発現量のみがHGにより有意に低下し、この低下がEpにより改善された。4)p38MAPK活性はHG条件下で著明に低下し、Epによりその低下が抑制された。5)PKC-αアンチセンス処理によりPKC-αのみならずp38MAPK活性および細胞増殖能は濃度依存性に低下した。6)SB処理により細胞増殖能は濃度依存性に低下した。 【結論】以上の成績より、高グルコース条件下の神経系細胞ではポリオール代謝活性の亢進を介してPKC-αおよびp38 MAPK活性が低下することにより細胞増殖能が低下することが明らかとなり、糖尿病性神経障害の発症・進展に高グルコースによるポリオール代謝活性の亢進を介したPKC-α、p38MAPK活性の低下が関与することが示唆された。
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