研究課題/領域番号 |
12671108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
柏木 厚典 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127210)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 酸化ストレス / 一酸化窒素(NO) / 内皮型NO合成酵素(eNOS) / テトラヒドロビオプテリン / NAD(P)Hオキシダーゼ / 冠攣縮性狭心症 / 高果糖食 / NO / テトラヒドロビオプテリン(BH4) / 内皮型NO合成酵素 / NADPHオキシダーゼ / 血管機能 |
研究概要 |
インスリン抵抗性症候群(内臓脂肪症候群、シンドロームx)は、現代における生活習慣を反映し、多くの冠動脈硬化の危険因子が集積した病態として、現代における糖尿病や動脈硬化症発症の最も重要な病態である。しかし、その発症機構と遺伝的背景、血管障害の分子機構に関しては、殆ど未解決である。更に、肥満、高血圧、糖尿病に伴うインスリン抵抗性状態での内皮依存性血管拡張能の障害機構とその臨床的意義については不明な点が多い。そこで本研究では高果糖食摂取ラットに発症するインスリン抵抗性状態での血管機能異常の分子機構について以下の点を明らかにした。1)インスリン抵抗性状態における血管壁酸化ストレスの分子機構は、血管内皮細胞に由来する活性酸素の過剰産生であった。2)その分子機構として、血管内皮細胞由来の内皮型NO合成酵素活性低下とNAD(P)Hオキシダーゼの活性化が主因であった。3)eNOS活性化異常には、eNOS活性化補酵素のテトラヒドロビオプテリン(BH4)の減少と不活性型補酵素(BH2)の著明な増加が関連していた。4)外因性高インスリン血症では活性酸素の過剰産生は認められず、インスリン抵抗性状態とは異なった。更にBH4/BH2比の低下はインスリン作用不全と関連し、その異常はBH4合成酵素の異常にて説明された。5)動物モデルで見られる異常が、ヒトのインスリン抵抗性状態でもみられるかどうかを検討した。アセチルコリン依存性血管弛緩能は、インスリン抵抗性に伴い低下し、血漿BH4/BH2比の低下に関連し、過酸化脂質の過剰産生と関連した。すなわちヒトのインスリン抵抗性患者でも、内皮依存性血管弛緩異常が血管壁酸化ストレスと関連し、重要な血管障害因子になることが明らかとなった。高果糖食によるインスリン抵抗性症候群誘導の分子機構としては、脂肪合成関連転写因子SREBP-1の遺伝子発現の増強と脂肪酸酸化関連遺伝子PPAR-alphaの遺伝子発現の低下によって誘導された。
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