研究課題/領域番号 |
12671112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 達也 京都大学, 医学研究科, 助手 (00314211)
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研究分担者 |
吉政 康直 国立循環器病センター, 動脈硬化・代謝部, 部長 (00252437)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | AMPキナーゼ / 骨格筋 / 糖代謝 / 運動 / 筋収縮 / シグナル伝達 / 糖輸送 / グリコーゲン |
研究概要 |
1.運動による骨格筋糖代謝活性化における5'AMP-activated protein kinase (AMPK)の役割:ラット骨格筋が収縮すると、AMPKは急性に活性化を受け、それに相関してインスリン非依存性糖輸送が惹起された。AICARを用いて薬理的にAMPKを活性化しても同様に糖輸送が促進された。またAMPKの薬理的阻害により糖輸送が抑制された。中等強度の筋収縮ではAMPKα2が、高強度の筋収縮ではAMPKα1・α2の両者が活性化され、糖輸送活性はα2活性とよく相関した。ヒトにおいても、糖輸送が活性化される70%VO2maxの自転車運動においてAMPKα2が活性化された。一方、筋収縮によりグリコーゲン合成系・分解系がともに活性化されたが、AICARによる薬理的活性化では分解系・合成系ともに活性化されず、逆にAICARはグリコーゲン合成酵素を抑制した。以上からAMPKは運動による骨格筋糖輸送促進には関与する一方で、運動時のグリコーゲン代謝を規定する積極的な役割を持たないことが示唆された。 2.運動によるAMPKα2活性化の意義:マウスにAICARを皮下あるいは腹腔内に至適量を投与することにより、中等強度運動時と同程度の選択的AMPKα2活性化を誘導すると、骨格筋糖輸送の活性化と糖輸送担体GLUT4の増加が得られた。このことからAMPKα2が運動による糖輸送亢進やGLUT4発現に重要であることが示唆された。 3.抗糖尿病薬(チアゾリジン誘導体)によるAMPKと糖輸送の活性化:単離したラット骨格筋を緩衝液中にてチアゾリジンを作用させると、AMPKα2が活性化されインスリン非依存性糖輸送が促進された。従来知られているインスリン感受性改善効果に加え、チアゾリジンの作用機序に、運動と類似した作用、すなわちAMPK活性化を介した糖輸送促進効果があることが示唆された。
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