研究課題/領域番号 |
12671151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
海野 直樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20291958)
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研究分担者 |
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20252174)
三岡 博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10324360)
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00090027)
中村 利夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40283353)
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | HIF-1 / Hypoxia / 腸管上皮細胞 / Butyrate / 透過性 / 一酸化窒素 / 腸上皮細胞 / Inos / 酪酸 / iNOS / HIF / 低酸素 / peroxynitrite |
研究概要 |
腸上皮細胞は腸内と生体循環とを隔てるバリアーの役割を果たしている。重度侵襲下ではこのバリアー機構が破綻し、多臓器不全を助長すると考えられている。今回、腸内細菌の主要な産生物質のひとつである酪酸に注目し、実験を行った。酪酸は正常生理条件下においては免疫の増強作用、腸管上皮細胞のバリアー機能の強化など様々な利益をもたらすとされる。ところが今回我々は、この酪産が低酸素下において、ヒト小腸上皮様細胞株Caco-2内HIF-1(低酸素誘導因子)のDNA結合能及び転写活性を抑制することにより、HRE(HIF-1 responsive element)をそのプロモーター領域にもつ遺伝子産物のRNA転写に影響を与えることを確認した。更にCoco-2細胞単層培養系においてapical-basolateral sideの電気抵抗値を測定することにより、上皮細胞の透過性を測定したところ、酪酸は低酸素下において上皮細胞の透過性を亢進させることが判明した。その原因として、酪酸は上皮細胞の透過性維持に重要と考えられているITF(Intestinal Trefoil Factor)mRNA量の減少を引き起こし、これが腸管上皮細胞のバリアー機能を低下させる大きな要因のひとっと考えられた。これらの結果は、重度侵襲下の患者の腸管透過性亢進と腸内細菌並びにその産生物質との関係から興味深い知見と考えられた。
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