研究課題/領域番号 |
12671152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小田 高司 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311715)
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研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237564)
神谷 順一 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80126888)
松田 覚 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50242110)
濱口 道成 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90135351)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | p73遺伝子 / 乳癌 / アポトーシス / mitosis / 筋上皮 / p53遺伝子 / 筋上皮細胞 |
研究概要 |
ヒト乳癌手術材料を用いてp73遺伝子の機能を解析する為にp73遺伝子が発現している細胞を観察する必要がある。本研究では乳癌組織を用い免疫組織化学的に乳癌組織におけるp73遺伝子の局在を解析した。さらに乳癌細胞におけるp73遺伝子の発現と細胞増殖能、アポトーシスおよぴ臨床的な癌悪性度との関連を検討した。 【方法】乳房切除術を施行した75症例を対象とし、TSA indirect systemを用いp73染色を行った。細胞核が明瞭に染色された腫瘍細胞が0.5%以上の症例をp73陽性と定義した。 【結果】筋上皮細胞は75例(100%)においてp73陽性であった。筋上皮細胞と癌細胞を区別するため、抗smooth muscle actin抗体および抗cytokeratin-19抗体を用い二重染色を行った。p73陽性乳癌は15症例(20%)であった。年齢、腫瘍径、リンパ節転移陽性率、エストロゲンレセプター陽性率はp73陽性乳癌群、p73陰性乳癌群における有意差は認められなかった。AI(Apoptotic Indedx)はp73陽性群(中央値2.01%、幅1.14〜6.56%)においてp73陰性群(0.48,0.06〜4.9%)より有意に高値を示した(P<0.05)。また、MI(Mitotic Index)はp73陽性群(2.00,1.08〜3.41%)において陰性群(0.37%,0.01〜2.41%)より有意に高値を示したP<0.05)。p73陽性、高増殖能(MI≧1.0%)群のAI(n=15,中央値2.00%,幅1.08〜3.41%)は、p73陰性群、高増殖群のAI(n=18,1.65%,0.24〜2.41%)、より高い傾向を認めたが有意差は認められなった。1年以内に遠隔転移をみとめた4例はこのp73陰性、高増殖群にふくまれ、アポトーシスの頻度は低かった。p53免疫染色を行い、p53過剰発現は22例(29.3%)に認めた。p73(+)/p53(+)群のAIは2.17%(0.1-3.41%)でp73(-)/p53(+)群の1.12%(0.25-2.40%)より有意に高値を示した。 【総括】筋上皮細胞にp73遺伝子の発現を認め、筋上皮の分化にp73遺伝子が関与する可能性が示唆された。2.高増殖を示す乳癌においてp73遺伝子のアポトーシス誘導への関与の可能性が示唆された。3.高増殖を示す乳癌においてp73遺伝子の発現低下と遠隔転移能の獲得との関連の可能性が示唆された。4.過剰発現したp53変異蛋白はp73蛋白の機能を抑制しなった。
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