研究分担者 |
谷 眞至 (谷 眞二) 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60236677)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10322372)
内山 和久 和歌山県立医科大学, 医学部・第2外科, 講師 (80232867)
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研究概要 |
HLA-A24結合性CEA epitope peptide(CEA652[9])を患者の単球よりIL-4とGM-CSFを用いて誘導したDCにpulseして投与する臨床試験を行い,その生体内免疫応答を以下の方法で解析した.また,動物モデルでも解析した. 1.CTLの誘導能の変化 すなわち,ワクチン投与前後のPBMCを採取保存し,in vitroにてDCを用いた方法でCTLを誘導し,その誘導能の変化を比較検討した.その結果,6例中3例でワクチン投与後にCTLの誘導能が増強した.すなわち,ワクチン投与により,生体内でCEA特異的CTLが誘導されたことが示唆された.また,ワクチン投与患者から誘導したCTLはpeptideをパルスした標的細胞を特異的に認識するのみならず,内因性にCEAを産生する細胞をHLA-A24とCEAの発現に依存して認識することが明らかとなった. 2.ELISPOT法によるprecursor frequencyの変化 ワクチン投与前後のPBMCを採取し,そのPBMC中のprecursor frequencyをIFN-γの産生を指標としたELISPOT assayにて解析した結果,6例中2例でワクチン投与によりfrequencyが上昇した. 3.CTLのin vivoでの腫瘍拒絶 CEA産生でA24を有する腫瘍細胞であるHT29のマウス経脾肝転移モデルを作製し,ここへA24特異的CEA CTL cloneを尾静脈より注入したところ,肝転移巣に集積することがラベルされたCTLで確認され,肝転移を有意に抑制することができた. 4.研究統括 本年度までの3年間の研究は,消化器癌に高率に発現するCEAをモデル抗原として,日本人に多いHLA-A24由来のペプチドをDCにパルスしたものを投与する臨床応用における免疫反応を多角的に解析した.一定の免疫応答は検出されたが腫瘍拒絶にまでは至っていない.腫瘍特異的能動免疫療法に関しても動物モデルを用いて検討し,一定の効果は示された.
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