研究概要 |
平成12〜13年度では,本治療法の開発に向け,Phase I/II studyとして食道癌患者に対し、自己癌特〓T細胞(CTL)を誘導し,癌局所及びその周辺へ投与した.本研究により平均採取組織量と生癌細胞数を解明〓的CTLが5症例(45%)において誘導できた。臨床効果として11症例ではCR1,PR3,SD2とPD5〓応は許容範囲内であった.生体内免疫反応の変化について有効群,不変群と無効群では治療前後の末梢血中〓数及び分画(CD3,4と8)において有意な変化がみられず,CD16^+T細胞が有効群症例において有意な増加〓 治療効果はCTL自己癌細胞特異性に相関する可能性が示唆され,CTLの反復投与後に生体内に自己癌特〓態が誘導できることが確認できた. 平成14年度では,治療効果を向上させるため,培養活性化リンパ球性状についてさらに研究した結果,CD4^+CD25^+T細胞が強いregulation作用およびそのeffector T cell腫瘍細胞傷害性に与える影響を判明した。In vitroでのサイトカイン産生実験では,TGF-βの増加とIL-2,IFN-γ及びTNF-αの減少を認めた。さらに,自己活性化リンパ球とプロテアソーム阻害薬との併用実験では,プロテアソーム阻害薬(PS-341)と免疫活性化分子TRAILの併用により乳癌,メラノーマ細胞株などに対し,細胞傷害性が増強され,両者の相乗効果を確認した。プロテアソーム阻害薬(PS-341)処理した乳癌細胞株(MDA-231)においては,Western Blotting解析によりIAPs発現が減弱し,Bcl-2,Casepase-9,-8,-3などへの影響は認められなかったことから,プロテアソーム阻害薬(PS-341)抗癌細胞の免疫反応増強作用はアポトーシス経路に関連していることが示唆された.
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