研究概要 |
1.8or10 Bentsの直径15mm、長径2cm、Z-stent作成し、2or3個をナイロンで接続した。グラフトはUBE woven polyester, porosity150cc/mm3厚さ0.15mmを犬の体重により直径12mmと14mmを使用し、長さ4cmと5cmのステントグラフとを作成した。 2.雑種成犬を全身麻酔下に開腹し、腹部大動脈を露出し、これにテープをかけ穿刺し、ガイドワイヤーを挿入、続いてシースを挿入する。シースの内筒を抜き小さく折りたたんだステントグラフとを挿入し内筒で押し、レントゲン透視下に胸部大動脈でステントグラフとをリリースし留置した。 3.挿入後1,2,3,4W後に肉眼的組織学的検索をしたところ、3Wよりフィブリンによる内膜の進展があり、ステントが固定された。 4.挿入後1,2,3,4W後に大動脈壁の1/4周切除を施行したが、切除は可能であり出血も壁からの少量のみであった。挿入してからの期間が長いほど、剥離層が不明で中膜と内膜の間の炎症性変化が強かった。 5.挿入後1Wでは1/2周切除も可能であった。挿入3日後、直後にも壁の切除を施行したが可能であった。 6.切除後の筋膜補強した群と切除の後そのままの群で変化はなく、動脈へ気切所誤の補強は必要ないと考えられた。 7.大動脈浸潤食道癌症例で大動脈血管ステントを挿入することで大動脈の遮断をせずに血管壁の一部を合併切除できることが示唆された。
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